Credit : Angela Weigand / UiB

中世時代のズルいサイコロがノルウェーで出土、600年前のイカサマ行為を裏付け?

正六面体であるサイコロ。ふつう1から6までの数字が刻まれているが、ノルウェーで発見された600年前のサイコロはちょっとちがうようだ。

3、4、4、5、5、6…と、ふたつの数字が重複して刻まれている。しかも高さ2.1 センチ、奥行き2.1 センチときているのに、横幅だけは上部2.1センチ、下部2.2センチと微妙な偏りがある。

手作り感あふれるこの木製のサイコロは、中世時代の詐欺道具ではなかったか?と発見した考古学者たちの想像を大いに掻き立てている。

Angela Weigand / UiB

サイコロが使われたのは十中八九なにかのゲームか賭け事だ。そしてこのサイコロには小さな数字が出ないように細工してあるのだから、そのゲームや賭け事で何らかのアドバンテージを狙ったと考えて不自然ではない。

現に、サイコロを発見した考古学者チームのひとりであるイングリッド・レーカヴィックさんは「Passe-dix(パスディス)」という古いサイコロゲームについてブログで解説している。参加者は順番に3つのサイコロを投げて運を競い合う。最初にサイコロの数字の和が10を下回った人が負けて、掛け金をすべて失ってしまうという。いかさまサイコロが存分に威力を発揮できるシチュエーションだ。

Corinna22 / Pixabay- ノルウェー第2の都市、ベルゲン。

サイコロはノルウェー文化財研究所(Norwegian Institute for Cultural Heritage Research)がベルゲンの旧市街で行っている発掘現場から出土した。多くの宿屋や酒場が繁栄した地域だったといい、賭け事が行われた可能性が高いそうだ。

これまでにもベルゲンでは中世時代のサイコロが30個以上発掘されてきているが、あからさまなズルいサイコロはこれが初めて。レーカヴィックさんによれば、あまりにも盛んだった賭け事に歯止めをかけるため1276年には賭博禁止令が出され、違反したものは掛け金を没収されたうえに銀107グラムの罰則金を払わされたという。しかし、およそ1400年代のものとみられる今回のサイコロが、賭博がその後も栄えたことを物語っている。

ちなみにこのズルいサイコロ、道端に放り出された状態で発見されたが、詐欺師がことの発覚を恐れて自分で投げ捨てたか、はたまた賭け事の相手に見破られて怒りとともに投げ捨てられたかどうかは定かでないそうだ。

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