体内微生物は人が死んでも役に立つ…死亡時刻推定から生存時の体調まで

人の体に住む微生物たちは人の死後も役に立ってくれる。人体に共生する微生物たちを調べることで死後どれだけ経過したかが判るという研究が発表された。

体の中の微生物たち

4月10日にNature Scientific Reportsに発表された研究では人体の様々な場所に存在する微生物たち「マイクロバイオノーム」が調べられている。そんな微生物の中でもよく知られているのは腸内細菌などだろう。腸内細菌には体内で合成することのできないビタミンを作ったりするなど、人に役立つものもいることで有名だ。微生物の多くは人体に害を与えることもなく、腸内に限らず例えば目、鼻、耳、口の中などにも様々な場所に済んでいる。

人が地球の上で他の生き物たちと共に暮らしているように、微生物たちもまた人の体で様々なものが共生しているというわけだ。

死後の微生物たち

そんな微生物たちは人の死後どうなるのか?研究によれば死後も微生物たちは存在するのだが、その多様性などは死後変化していき、死亡してから48時間後に比較的変化が安定することが判明した。LiveScienceに応える研究の共同執筆者でミシガン州立大学の法医昆虫学者のエリック・ベンボウ(Eric Benbow)はこれを「微生物のストップウォッチ」だと形容する。そう、これは死亡時間の判別にも使えるのだ。(なお法医昆虫学は死体に群がる昆虫などから死後の経過時間などを推定する分野だ。)

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生きている時の状態も判明

また、死後24時間の時点で口内に居る微生物を調べると、生存時に心臓疾患を持っていた人は真正細菌「Rothia」の数が僅かではあるが確実に多かったことが判明。これは一般的に歯垢の中に存在する最近だが、感染性心内膜炎とも深く関わる病原体だとされる。

そんな微生物たちの研究がより進めば、将来は検死などに役立てることだできるだろう。また、もしかしたらこれにより地域の人々の健康傾向などが把握でき、公衆衛生局などが介入できるような、つまり生者の生活にも直接役立てることができるようになるかもしれないと研究はしている。