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燃える氷!海底に眠るガスハイドレートの仕組みが解明される

美しい七色の炎を燃え上がらせているのは、アイスクリームのフランベ?

いえ、これは「燃える氷」と言われるガスハイドレート。水の分子の檻のなかにガスの分子を閉じこめたシャーベット状の堆積物だ。高い圧力と常温という条件下で形成され、主に海底の粘度堆積物の中に層を織りなす。

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メタンガスを閉じこめているものがほとんどなので「メタンハイドレート」とも呼ばれ、氷のような結晶構造なのにも関わらず火をつけると燃える。USGSによれば、16㎤のメタンハイドレートから13㎤の水と3000㎤のメタンガスを抽出できるそうだ。海底に眠る次世代の燃料として1980年代から注目を浴びてきた。

しかし、これまでガスハイドレートの電気化学的な成り立ちはよくわかっていなかった。粘度堆積物の塩分濃度と細孔の大きさがガスハイドレート化に適していないと考えられていたのだが、LiveScienceによればこのたび韓国科学技術院の研究者チームがガスハイドレートを実験的に作り出すことに成功したそうだ。

学術誌『Environmental Science & Technology』に発表された論文によると、電場を作り水の分子を分極化させることで、水の分子とガスの分子(実験の場合は二酸化炭素)との反応が進んでガスハイドレートが形成された。

Tim Collett / USGS

海底の粘度堆積物との関係が解明されれば、ガスハイドレートからメタンガスを抽出する作業がより簡素化されるかもしれないと期待されている。石炭やシェールガスに替わる燃料としても一層現実味を帯びてくるだろう。

さらに、逆のプロセスも可能かもしれないとLiveScienceは指摘している。すなわち、温暖化ガスである二酸化炭素を海底の粘度堆積物に閉じ込められるのではないか?地球温暖化に歯止めをかけるためにも有効な方法かもしれない。

Tim Collett / USGS

もともと海底油田からガスや原油を抽出する際、パイプを詰まらせてしまう厄介者、それがガスハイドレートだった。その後ガスハイドレート自体が燃料になるとわかり、また世界中の海底に眠る膨大な量のガスハイドレートは石炭、石油と天然ガスすべてを合わせたよりも多いエネルギー量になることもわかってきている。

今後も研究と開発が進めば、将来LNGに替わって各家庭に運ばれてくる天然ガスはメタンハイドレート由来のメタンガスになるかもしれない。

Scientists Solve the Molecular Puzzle of ‘Flammable Ice’ (LiveScience)

Icy Energy Source Could Slash Natural Gas Prices by 2025 (LiveScience)

Effect of Electric Field on Gas Hydrate Nucleation Kinetics: Evidence for the Enhanced Kinetics of Hydrate Nucleation by Negatively Charged Clay Surfaces (Environmental Science & Technology)

Gas Hydrate in Nature (USGS)

When Ice Yields Fire (USGS)

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