Credit : Didier Descouens CC BY-SA 4.0

2億年前の蝶の仲間の羽色判明…地味ながら構造色も持っていた

蝶や蛾には様々な色、様々な模様の羽がある。しかしそんな色のついた羽はどれだけ昔から発達してきたのだろうか?中国科学院による研究で、2億年前の蝶の仲間にはすでに色や構造色が存在したことが判明した。

ジュラ紀の蝶の仲間
チョウ目(Lepidoptera)は、蝶と蛾どちらも含む分類で、またの名を「鱗翅目」(りんしもく)という。これはどちらも羽に鱗粉がついているものだ。今でこそ、目のような模様がついていたり、青、黄、透明なものなど様々な色を持つチョウ目だが、ジュラ紀の蝶の色はどんなものだったのか。

Science Advancesに4月11日に発表された研究では500以上のチョウ目の標本を検査して、そのなかから保存状態の良い見本を6つ選び出した。これらはみな2億年前のジュラ紀からのもので、多くは石の中で化石したものだったが、一つは(映画『ジュラシック・パーク』みたいに)琥珀の中に入った標本であった。それらの鱗粉を電子顕微鏡で調べた。

Didier Descouens CC BY-SA 4.0

すると上層には畝状にヘリンボーン模様(杉綾模様)の部品が並び、下層にはより小さく密になった鱗が並んでいた。Popular Scienceによれば、これらの配置をコンピューターでモデリングしたところ、薄茶色(薄いタウニーブラウン)に金属的なシャボン玉のような光沢が現れたという。このような二層構造は現存するコバネガ科(Micropterigidae)の一部が持つものとほぼ同じだという。

構造色
また鱗部分の微細構造は140から2000nmで並んでおり、現在知られる可視光を拡散する「構造色」を持つ昆虫として最も古いものである。構造色というのは、それ自体に色はついていないが、その構造により光が反射することにより色が見られるもの。

この構造色を持つ蝶の仲間ではモルフォチョウ(トップ画像)が有名だ。美しく、まるでそれ自体が光っているかのように見えるこの蝶の羽色もまた、青の光のみが反射されるためにそうみえるもので、この蝶の羽を横方向から見ると黒く見えるのみである(なお羽の反対面は地味なものも多い)。

一層構造のものが出てくるのは白亜紀以降で、様々な色模様のバリエーションが出てくるのはそれからである。しかしジュラ紀にはすでに現代の蝶や蛾に繋がる鱗粉構造を持っていたことからは、羽の鱗粉はチョウ目の登場以前からあったのではないかと考えられている。

Now paleontologists know what colors graced these 200-million-year-old butterfly wings(Popular Science)

Fossil scales illuminate the early evolution of lepidopterans and structural colors(Science Advances)

モルフォチョウ構造色の基本原理:規則性と不規則性の共存(吉岡研究室 東京理科大学 理工学部 物理学科)

File:Morpho didius Male Dos MHNT.jpg(Wikimedia Commons)

File:Micropterix aureoviridella (Höfner, 1898).jpg (Wikimedia Commons)

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