米ディスカバリーチャンネルが、エジプトの王家の谷を発掘するチームを独占撮影している。未だ発掘チームはその成果を公表していないが、未発見の王族の墓が複数ある可能性のある地域の発掘であるだけに期待がかかる。
大規模な発掘作業
これまであまり発掘されてこなかった王家の谷の西側を、エジプトの著名な考古学者ザヒ・ハワス博士率いるチームが発掘している。100人以上の作業員を動員しての今回の発掘は、今年1月より米ディスカバリーチャンネルの支援により行われているもの。アメリカではこの発掘を独占撮影して番組にしたものが今年放映予定だ。
しかし、エジプトでは考古学的な発見を行うことができても、その発表が行われるのは考古省が許可を与えてから。今回の発掘がどんな成果を上げたのかは未だ発表去れておらず、ハワス博士もメディアに対して口を閉ざしている。
海外サイエンスメディアはらツタンカーメンの妻の墓かと推測

なおLiveScienceは、今回発掘が行われている地域には、通常墓建造の前に埋められるという牛の頭骨や壺、石刃などが埋められていること、レーダスキャンでその付近に墓の入り口である可能性のある構造物が見られたということを指摘。そして、ツタンカーメンの妻であったアンケセナーメンの墓が個々にあるのではと推測している。その根拠は、アンケセナーメンはツタンカーメンの死後王座を継いだアイの妻となっており、この発掘場所の付近にアイの墓があるからだ。
なお米ディスカバリーチャンネルのプレスリリースでは「複数の王族の墓」が眠っているとされるが、もしかしたら複数の墓を発掘し当てた可能性もあるかもしれない。続報と番組に期待したいところだ。
Have Archaeologists Discovered the Tomb of King Tut’s Wife? Maybe.(LiveScience)
File:Luxor, Tal der Könige (1995, 860×605).jpg(Wikimedia Commons)