国民の半分以上が太りすぎのイギリス、ソフトドリンク対象「糖税」がスタート!

イギリスが2018年4月6日付で新しい税金を導入した。正式名は「ソフトドリンク産業税(Soft Drinks Industry Levy)」。俗に「糖税(Sugar Tax)」と呼ばれている。

この税金を課すことでイギリス人の食生活から糖分を大幅にカットするのが政府の狙いだ。多くの科学者が糖分の摂りすぎは肥満と糖尿病につながると指摘しているとおり、イギリスではソフトドリンクの多量摂取が大きな問題となっている。The Conversationによればイギリスの成人男性の68%、そして成人女性の58%が太りすぎもしくは肥満体型だという。

課税対象は加糖された飲みもので、清涼飲料水、炭酸飲料やスポーツドリンクなどを含む。ペットボトルや缶飲料のうち100ミリリットル当たり5グラム以上の糖分を含むものは1リットルにつき18ペンス(約27円相当)課税され、100ミリリットル当たり8グラム以上の糖分を含むものは1リットルにつき24ペンス(約36円相当)課税される。

日本円に換算すると、例えば自動販売機で525ミリリットル入りの甘~い炭酸飲料を求めた場合、ペットボトル一本が通常より20円高くなる感覚だ。この余計な20円を払いたくないがために、あなたなら甘~い炭酸飲料をあきらめてお茶を購入するだろうか?

あきらめ効果

BBCによれば、同様の税金はすでにメキシコ、フランス、ノルウェイなどで適用されている。2014年1月1日に導入されたメキシコの例をみると、最初の一年間でソフトドリンクの消費量が12%も低下したそうだ。そのうち低所得者層においてもっとも消費が減少したという。替わりに天然水など課税対象外の飲み物の売れ行きが好調だったというが、効果的な肥満予防対策になっているかどうかはまだ未知数だ。

しかもメキシコ同様、今回イギリスで導入された糖税の対象はあくまでソフトドリンクのみ。フルーツジュース、ノンアルコール飲料、牛乳や豆乳ベースの飲料や、ケーキ、クッキー、ビスケットなどの菓子類は対象外だ。そのため効果は限定的だろうという見方もある。

甘くない選択

「産業税」という名のとおり、今回「糖税」が課せられるのはあくまでソフトドリンクを製造している飲料メーカー側であり、そもそも糖分含有量を減らせば税は適用されないため、消費者にも転嫁されない。税金を回避するため、すでにファンタ、ライビーナ、アイアン・ブルーとルコゼード社ら大手企業は糖分を大幅にカットしているとBBCが報じている。

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一方、コカ・コーラは「ファンの要望に応えて」今までの味を変えずに、1.75リットルのボトルを1.5リットルに縮小することを決定。ペプシも同様に糖分を減らさない方針だという。

イギリス政府は糖税の導入により年間2.4億ポンド(約360億円相当)の収入を見込んでおり、学校の運動施設や子ども食堂などに使われる予定だそうだ。

糖分摂りすぎにはご用心

WHOが推奨している成人の一日の糖分摂取量をご存知だろうか?実はたったの25グラム。コカ・コーラには100ミリリットルにつき10.6グラムの糖分が含まれているので、250ミリリットルの缶一本ですでにオーバーしてしまう。

糖分の摂りすぎが日常的に続き、運動で余剰なカロリーを消費できないと、糖分が脂質に変わって蓄えられるため体重増加につながる。肝臓に脂質が溜まりすぎるとインスリンが正常に分泌できなくなり、糖尿病につながる。また、甘い物の食べすぎや飲みすぎは虫歯の原因となるだけでなく、あるマウスを使った実験では乳がんの発生と転移を引き起こす可能性も浮上している。

Soft drink sugar tax starts, but will it work? (BBC)

Sugar tax: what you need to know (The Conversation)

Check if your drink is liable for the Soft Drinks Industry Levy (British Government)

Why eating lots of sugar makes you fat (ZME Science)

WHO calls on countries to reduce sugars intake among adults and children (WHO)

A sucrose-enriched diet promotes tumorigenesis in mammary gland in part through

the 12-lipoxygenase pathway (Cancer Research)