日本人に馴染み深いゾウといえば、近年では「はな子」だろうか。少し昔なら「ジョン、トンキー、ワンリー」あたりだが、世界的に知られているのは「ジャンボ」だ。
イギリスの著名な動物学者・植物学者であるサー・デイビッド・アッテンボローがナレーションを務める『伝説のゾウ/ジャンボ』では、今から150年ほど前に欧米で人気者となったオスのアフリカゾウ、ジャンボの軌跡を紹介する。アフリカで生まれ、人間によってヨーロッパに連れてこられ、北米で最期を迎えたジャンボ。その大きな体で注目を集め、「巨大な」を意味する「Jumbo(ジャンボ)」の語源にもなったといわれるが、これはもともとスワヒリ語で「こんにちは」を表す言葉だ。
番組では、ニューヨークのアメリカ自然史博物館にあるジャンボの骨格をもとに、その食生活や健康状態も探っていく。骨格は数十年もの間展示されず、一定の温度下で保存されていたのだが、研究チームにアッテンボロー氏が加わったことで撮影が実現。それだけでも見る価値は十分にあるだろう。しかも骨格だけでなく、一部だが尻尾まで残っているというから驚きだ。
古い記録によると、「ジャンボ」は今から153年前、1865年6月26日にロンドンにやって来たらしい。当時は「地球上で一番大きな動物」と喧伝されていたが、実際にはどれほどの大きさだったのか? そして、なぜ悲劇的な最期を迎えてしまったのか? その答えはアッテンボロー氏の安心感&説得力あるナレーションと共に、ぜひ番組でチェックしよう。