宇宙を綺麗に!スペースデブリ掃除の実証機が打ち上げ

宇宙ゴミ、「スペースデブリ」は衛星やISSの脅威となる存在だ。そんなスペースデブリを掃除するための「宇宙掃除機」のテスト機が4月2日に打ち上げられた。今後テスト機は1年半をかけて実証実験を行う予定だ。

宇宙掃除機

この宇宙掃除機は「リムーブ・デブリ」(RemoveDebris、デブリ除去)という名前で、イギリスのサリー大学がデザインしたもの。SpaceXのFalcon 9による国際宇宙ステーションISSへの補給ミッションと共に打ち上げられたこの掃除機は、まずはISSにドッキング。その後日本の宇宙実験棟「きぼう」のエアロックからアームによってISS外から放出される。その先は単体で稼働し、スペースデブリ除去のための様々な装置の実証実験を行う。

あくまでも今回は実証実験なので、実際のスペースデブリを除去するのではないが、自ら放ったキューブ状人工衛星(CubeSat)状の模型デブリをネットを放出して捕まえたり、ハープーンによる捕獲、そして映像によるスペースデブリの認識なども行う。そして最後には自らもスペースデブリとなってしまわないように速度を落とすためのドラッグセール(海錨)を展開し、大気圏で燃え尽きる。

スペースデブリの危険

ISSの窓にスペースデブリがぶつかりできた傷 – Credit: ESA/NASA

先日は中国の宇宙ステーション、天宮1号が制御不能状態で大気圏突入したことも記憶に新しい。天宮1号はそのまま大気に突入しそのほとんどが燃え尽きたが、このように宇宙で制御を失ったまま軌道を周回するゴミの数々は、未だ稼働している衛星やISSなどの宇宙ステーションには危険な存在だ。

2010年の段階でNASAはペニー硬貨(直径2cmほど)よりも大きなスペースデブリは11万3,000ほど見つかっているとされていたが、The Telegraphによれば今では1cm以上の大きさのものは75万、1mm以上のものは1億6600万以上存在すると見積もられている。「小さいから問題無いだろう」と思われるかも知れないが、2016年には実際にISSの窓にスペースデブリがぶつかり、窓に7mmの幅の欠損ができている。ESAによれば、もしもぶつかるスペースデブリが1cmよりも大きなものであればISS乗員モジュールのシールドを貫通するし、10cm以上のものであれば衛星や宇宙船を粉々にしかねない。

クリーンな宇宙に向けて

今回打ち上げられた宇宙掃除機がミッションを終え地球に再突入するまでには1.5年かかると見られている。早いところこの宇宙掃除機が実際に活用されるようになることを望みたい。

なおこのほかにもスペースデブリ対策としては「SpaDE」というアイデアも考案されている。こちらは大気ガスをパルス状に放つことによりスペースデブリの速度を失わせ、大気圏まで落とそうというもので、2010年代初頭から様々な話は出てきてはいるものの、2014年以降大きな進展は報じられておらず、未だ実験には至っていないようだ。

ここまで読んでもまだスペースデブリの危険性が頭に入らないという方は、映画『ゼロ・グラビティ』をご覧になるといいかもしれない。

Astro litter-picker launches to help clean up 7,600 tonnes of space junk (The Telegraph)

REMOVEDEBRIS(Surrey)

What Is Orbital Debris?(NASA)

IMPACT CHIP(ESA)

Tiny Debris Chipped A Window On The Space Station(Popular Science)

Space Debris in Motion(YouTube – NASA)

Space Debris Elimination (SpaDE)(NASA)

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