事件から26年…捜査官の執念と最新技術が凶悪強姦事件を解決に導く!

1975年2月、オクラホマ州タルサという小さな町で、ジェラルディン・マーティンという女性の遺体が発見された。

廃墟となっていたアパートの一室で見つかったジェラルディンの遺体は、無残に切りつけられ暴行された痕跡が残っていた。犯人は彼女を強姦した後、現場にあったハンガーで首を絞めて殺害し、さらに再び遺体を強姦してから切り刻んだのだ。あまりに残忍な手口から、警察は快楽殺人事件として捜査を開始。このニュースは町中に知れ渡ることとなる。

ジェラルディンの遺体が発見されたのは、彼女が最後に目撃されてから3週間後のこと。当時の気温は氷点下だったため、遺体は腐敗せず傷跡も生々しく残されていた。この事件を担当したタルサ警察のマイク・ハフは、まだ新米捜査官だった当時を振り返り「葬式以外で遺体を目にしたのはあれが初めて。事件を担当した頃は悪夢にうなされた」と語っている。

1970年といえば、データベースやコンピューターなどなかった時代。当然、捜査手段や鑑識の技術は現代とは比べるべくもない。手がかりは、ジェラルディンの持ち物に付着していた何者かの血液、現場に残された指紋と精液、そしてジェラルディン失踪の翌日に彼女のカードを使用した不振な男の似顔絵だ。

しかし、これだけの証拠がありながらも犯人を断定する決定的な情報は得られず、なんとこの先25年以上も未解決のまま迷宮入りすることになる。もちろん警察は捜査を続行し、容疑者と思わしき人物が浮上するたびに鑑識を行ったが、四半世紀が過ぎても状況は変わらなかった。

2000年代に入り、かつて新米だったハフは未解決事件の捜査班の責任者に。有力情報が入り調査を進めるも犯人断定に至らず落胆……そんなことを繰り返しながらも、彼は決して事件解決を諦めようとしなかった。事件にまつわる品々は状態の良いまま保存されていたため、ハフは最新のDNA鑑定にかければ加害者の正体を暴くことができると期待していた。1975年には無意味だった証拠の数々も、21世紀では犯人を追う重要な手がかりとして大きな意味を持つようになったのだから。

そして2002年11月、事態は急展開を迎える。サンディエゴに程近いエルカホン警察の捜査官が、ジェラルディン事件をタルサ警察のホームページで知り、ある男の犯行かもしれないと連絡してきたのだ。クライド・ウィルカーソンというその男について調べると、事件当時タルサに住んでいたこと、容疑者の似顔絵との特徴が一致していたことが判明。しかも、これまでに女性に対する暴行容疑で逮捕され、強姦殺人への関与も疑われていた人物であることがわかった。

しかしこれまで散々期待を裏切られてきたハフは、この情報にもぬか喜びせず冷静に捜査を進めたという。そして最終的に、ウィルカーソン容疑者のDNAと事件のデータが一致。長年追い続けてきた怪物をついに捕らえたのである。

2004年4月、クライド・ウィルカーソンはジェラルディン・マーティンへの暴行、強姦、および殺害の罪で終身刑に処された。ハフは「結果を知った瞬間の気持ちは語りつくせません。今までの苦労がようやく報われて、疲れも吹き飛びました」「ウィルカーソンは今や老人になっていました。長い年月を費やしましたが、逮捕できて非常に嬉しいです」と語る。積年の努力が実を結んだ瞬間だ。

犯人逮捕を諦めなかった警察官の強い信念と想い、そして最新の捜査技術が1つの凶悪事件を解決へと導いた。アメリカでは殺人事件に時効はないものの、多くの事件が未解決のまま闇に葬られ、忘れ去られてしまうのが現実である。ジェラルディンの家族や当時の恋人は26年の時を経てようやく事件にけじめをつけることができたが、これは奇跡的な例と言えるだろう。

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