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本編よりCMの方がおもしろい?…2歳未満児はスマホ動画から何も学んでいなかった

2歳までの子供にYouTube動画を見せることで、子供を画面に釘付けにすることはできるが、子供はそこから発達に有用なものは何も学ぶことはない、という研究が出た。

ワイリー・オンライン・ライブラリー(Wiley Online Library)に3月20日に掲載されたのは、インドのネタージ・サブハス工科大学による研究。これは子供55人を対象にした生後6ヶ月から24ヶ月までの追跡観察調査で、それぞれ6ヶ月、12ヶ月、18ヶ月、24ヶ月の4つの段階でYouTube動画を見させ、その様子を観察している。

月齢によって異なる反応

その結果判明したのは、生後6ヶ月の子供は音楽に興味を引かれ、12ヶ月の子は動画を観ることに興味を示す。12ヶ月の子供はまた、動画に自らの両親が映っている場合認識出来、24ヶ月の子供は自分自身を認識出来る。18ヶ月になると画面に出てくるボタンの機能は理解できないもののボタンを押すようになる。

この研究を報じるFatherlyは子供の発達とテレビの関係に関しての他の研究も引用している。例えば米ウェイクフォレスト大学とコネチカット大学の研究では、生後15から24ヶ月を対象にいわゆる子供向け教育番組を見せて新たな言葉を覚えさせる実験をしているが、子供がテレビ番組に集中していてもそこまで学習に効果が無く、効果があったのはテレビ番組の内容を一緒にいる大人が教えようとした場合であった。

これと同様に、今回のインドの研究でも、子供が新たな言葉を覚えたのは親が子供と共に動画とインタラクトする際のみであった。また、意外なことに子供達はアニメに出てくる登場人物たちよりも、実際の人間が登場する動画を好んだほか、動画メディアそのものよりも、チョコレートやおむつなど自分の好きな製品の登場するコマーシャルの方を好んだ。

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子供への教育的価値

研究では、スマートフォンなどでYouTube動画を見せることで2歳以下の子供を楽しませ、没頭させておくことはできるが、子供は動画からは何も学ばないと結論づけている。確かにずっと子供に構っているのは難しいことだが、スマホやタブレットで動画を見せても、教育的価値はないというわけだ。55人という比較的少人数を対象にしたインドでの研究であり、より調査人数を増やしたり、別の国、より特定された動画で試みれば違った結果が出る可能性もあるということも頭に入れておくべきではあろう。

なお、もう少し年齢が上がればまた少し問題は変わってきて、米国小児科学会(American Academy of Pediatrics)の5歳から18歳の、テレビやソーシャルメディア、ゲームとの関わりを調べた研究では、それらは時事問題や社会、他者への関心や関わりを後押しするといったポジティブな影響もある一方で、肥満や睡眠障害、メディアからの影響によりアルコールやタバコ、危険行動を行う可能性も指摘されている。

今の時代はディスプレイに支配された時代という感じもしないでもないが、赤ん坊から大人まで、ディスプレイを通じたメディアとは視聴のバランスもとりながら上手く付き合っていきたいものだ。

YouTube Videos Don’t Benefit Your Baby’s Brain(Fatherly)
Children aged 6–24 months like to watch YouTube videos but could not learn anything from them(Wiley Online Library)
Can Toddlers Learn Vocabulary from Television? An Experimental Approach(vrij-natuurlijk.nl)
Media Use in School-Aged Children and Adolescents(American Academy of Pediatrics)

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