南極のペンギンは「二代目」だった!? 姿を消した「初代」ペンギンとは

地球の南端に位置し、冬の平均気温がマイナス50~60度にもなる極寒の地・南極。そこに生きる代表的な動物と言えばペンギンだ。陸上ではヨチヨチ歩きのトボけた可愛らしさにあふれる一方、水中ではジェット機ばりのシャープな泳ぎを見せる不思議な生き物だ。

実は南極以外にもペンギンの分布地域は広く、ニュージーランドやオーストラリア、アフリカなど雪の降らない比較的温暖な地域にも生息しているが、南極に次ぐ極寒地であるはずの北極にペンギンはいない。これは、寒流に乗って移動するペンギンが、赤道にある暖流を境にそれ以北へ進出することが出来なかったためと考えられている。

しかし、かつて北極圏にはオオウミガラスという大型の海鳥が生息していた。チドリ目ウミスズメ科に属する彼らは、現在南極に生息するペンギン(ペンギン目ペンギン科)とは全くの別種であるものの、「飛べない」「ヨチヨチ歩く」「泳ぎが得意」といった特徴や見た目はペンギンそのもの。実際、オオウミガラスこそが初めて「ペンギン」と呼ばれた生き物なのだ。

しかし、16世紀に始まった乱獲によってその数は徐々に減少し、19世紀半ばには絶滅。後に南半球でオオウミガラスに似た鳥が次々と見つかると、これらが“南極ペンギン”としてその名を引き継いだと言われている。

オオウミガラスを絶滅に追いやった見境のない乱獲はもちろん非難されるべきものだ。さらに、現在のペンギンをはじめ様々な野生生物の絶滅危機を増大させている地球温暖化の原因もまた、人間に由来していることを我々は真剣に考えなくてはならない。