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科学者たちが腸内細菌向けの「料理本」を出版

科学者が何か本を出すとなると、一般の人では理解が難しい論文みたいなものを想像する人が多いだろう。しかしこの度科学者たちが出版することになった本は、なんと料理本。もちろん、ただの料理本ではない。ヒトの腸内に宿る細菌へ向けた料理本なのだ。

ヒトの腸には約3万種類、1,000兆個の細菌が住んでいると言われており、「病原体を排除」、「食物繊維を消化」、「ビタミン類を生成」、「ドーパミンやセロトニンを合成」、「免疫力の生成」という5つの働きで私たちの体を守っている。近年の研究により、健康を保つための腸内細菌の重要性がより注目され始めているものの、腸内細菌がどのように育ち、どんな栄養を必要としているのか、あまりよく知られてこなかった。

そんな中、European Molecular Biology GroupのNassos Typas氏はPeer Bork氏、Kiran Patil氏と共に、人間の腸内にいる一般的で様々な病気と関連のある細菌をピックアップ。72種の中から19の異なる環境に住む96種類を選び抜いた。

これらの細菌が好む栄養素や消化能力により、必要な栄養素をリストアップ。その過程において、ムチン(粘液を作り出す主成分)を利用する新たな細菌を発見した。腸内の粘膜バリアを弱めることで、炎症や感染を引き起こすという。また、腸内の栄養素を多く含んだ液体の中で生きることができない細菌も新たに発見された。

今回発表されたこの「料理本」では、これらの腸内細菌を育てるための栄養素が記載されている。腸内細菌の役割やその影響についてはまだわからないことは数多いが、Typas氏は今回の本が今後の研究に役立つだろうとしている。

ヒトの細胞数の16倍にものぼるとされる腸内細菌。これらのことをよりよく知り、どんな栄養を必要としているのかわかれば、我々が食べ物を選択するのにも役立ち、より健康的な生活を送ることができるようになるだろう。

Scientists write molecular cookbook for our gut bacteria (ZME Science)

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