Credit : Felice Frankel / MIT

MIT、10個の臓器を繋ぐチップを開発…新薬開発に光

生体機能チップ、という言葉を聞いたことがあるだろうか?Organ-on-a-chipとも呼ばれる集積回路(チップ)で、半導体製造で培われた技術が使用されているものだ。実際の臓器とほぼ同じ機能を持っていることから、新薬開発における動物実験の代替手段としてその研究が進められている。

生体機能チップはあくまで体の一部(臓器)を模したものだが、この度米マサチューセッツ工科大学の研究者たちは、最大10個の臓器を繋ぐプラットフォームを開発。臓器が互いに作用し合い、まさに身体全体を模したチップを開発したというのだ。

新薬を開発する際、多くの障害が存在する。薬の効果を確かめるだけでなく、その安全性や副作用についても検証する必要があるからだ。人を対象に実験をする前の段階では動物実験が多く行われ、これに伴う痛みや死も動物保護の観点から大きな問題となっている。そんな時間、コスト、危険性を解消するために開発されたのが生体機能チップだった。

それ単体で一つの臓器として機能する生体機能チップだが、人間や動物の身体の中では様々な臓器がお互いに干渉し合っている。そんな中開発されたのが、今回発表されたチップ「Body-on-a-chip」で、これを薬の試験に使用することにより、実際に薬が身体全体でどのように作用するのか実験することが可能になるという。

動物実験により犠牲となる動物が減るだけでなく、この最新チップを使用することにより、動物実験よりも人間に近い結果が得られるという利点もあるということだ。

この度研究者たちが開発したチップでは、肝臓、肺、腸、子宮内膜、脳、心臓、膵臓、腎臓、皮膚、そして骨格筋の10つを繋ぐことができる。各臓器は100万から200万個の細胞でできているということで、もちろん、本物の臓器とまったく同じという訳ではないが、各臓器の主な機能は有している。動物たちが傷つかず、しかも低コストで早く薬の開発ができるとなれば、我々の生活において大きなプラスとなることは間違いないだろう。    

Body on a chip could usher in a new generation of drug testing (ZME Science)

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