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カラスの社会序列、鳴き声でお互いの地位を認識して行動することが判明

カラスは餌に仲間を呼び寄せる時に「カー」と鳴く。だがその声は、ただ仲間を呼ぶ以上の役割を持っているということが研究で判明した。その声には個体が集団中でどんな階級に属するのか判別する要素が含まれ、カラスはそれを聞き分けて行動しているのだ。 

カラスの呼び声の違い

これはウィーン大学とケンブリッジ大学による研究で、3月13日の「フロンティアーズ・イン・ズーオロジー」(Frontiers in Zoology)に発表されたもの。研究では、12羽のワタリガラスが餌やりの際に放った418の呼び声が分析された。カラスは年齢と性別により、周波数、呼び声の長さ、大きさが異なっている。この違いは、体の大きさやホルモンレベルによる違いに起因するものではないかとされている。

カラスは主に餌がある状態で仲間を呼び寄せるためにいわゆる「カー」という鳴き声を放つ。分析により判別したのは、メスのカラスの方がオスのカラスよりも「カー」と鳴くことが多いこと。しかしこれはどのような意味を持つのだろうか。 

カラスの社会序列

これまで行われた研究では、カラスが餌に関連して放つ声を録音し、それを野生環境で再生した際に、声がメスのものであれば90%のカラスはこれに反応し集まってくることが分かっている。カラスの世界ではメスの地位が低く、そのためメスが「餌があるよー」と呼んだ時に駆け付ければ、特にオスの中でも地位の高いものにとっては、争うことなく餌にありつける可能性が高いとみられている。

もちろんカラス同士も餌を奪い合うことがある。地位の低いカラスが餌を仲間に知らせても、彼らの餌の取り分が減ってしまうだけに思われるかもしれないが、実はそうではない。つがいをつくり繁殖中のカラスが縄張りとしている地域では、つがいのいない地位の低いカラスが餌を見つけた際には、仲間を呼ぶことで、つがいよりも大きな団体を作ることができて、つがいに邪魔されずに餌を食べることができるのだ。

カラスは個体同士が集まったり離れたりする「離合集散型」と呼ばれる社会を持つ(他には例えばチンパンジーなどもこの形態を持つ)。このような社会の中では、お互いを認識することが重要だ。カラスの形成する集団の中の個体は常に変動していると同時に、その中での性別や年齢、親族関係による社会階層の存在は常に存在する要素となっている。

仲間に自分の餌を取られてしまう状況、仲間と餌を奪い合う状況もあるなかで、仲間と協力して餌を得るという協調行為をとるためにも彼らの声は重要な要素なようだ。 

七色の声色を持つ賢者

カラスは計画性を持った行動も可能だし、他の動物の声真似をすることで動物を操ったり、人の言葉を真似して話すことでも知られる。となるともしかしたら大勢の仲間に来てほしい時には地位の低いカラスの鳴き声を、餌を仲間と分けたくないときには地位の高いカラスの泣き声を真似したり、などといったことも可能かも、なんて想像が膨らむが、果たしてどうなのだろうか。今後もカラスの研究では、人が思ってもみなかったようなカラスの秘密が明かされていくかもしれない。

“Haa, haa”– the creepy laughing sound that ravens make reveals their age and sex(ZME Science)

Raven food calls indicate sender’s age and sex(Frontiers in Zoology)

Ravens—like humans and apes—can plan for the future(Science Mag)

Ravens can talk!(YouTube – Talons and Teeth)

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