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ダイアモンドの中に特殊な氷が見つかる

研究者たちはこれまで地球で見つかることのなかった「ice-VII」タイプの氷を見つけた。しかもダイアモンドの中に。

水が凍った「氷」と言っても、実は様々なタイプがあることはご存じだろうか。私たちが日常の中で見たり使ったりするのは「ice-I」と呼ばれるもの。この状態では酸素原子が六角形状に並んだ結晶構造を持つ。しかし、圧力や温度が違う状態でできた氷は、この結晶構造が形を変える。今までのところ見つかっている氷のタイプは、この構造の違いにより17種類ほど。見つかった順にそれぞれにローマ数字が割り振られている。

今回ダイアモンドの中に見つかったのはice-VIIと呼ばれるもの。このタイプはとても強い圧力をかけないとできないもので、人工的に作り出すことは不可能だ。太陽系の中であれば、土星の月「エンケラドゥス」や、木星の月「エウロパ」などには存在するのではとされていた。地球でもマントル深くであればこのタイプの氷の生成に必要な圧力が得られるものの、その位置では温度が高すぎてice-VIIは安定した状態で存在出来ない。

しかし今回、地下410〜660kmの深さから見つかったダイヤモンドの中にこのice-VIIが見つかったのだ。ダイヤモンドが自然の中で作られるときには、その過程で周囲のものが取り込まれる事がある。ダイアモンドは一度生成されればその構造がほぼ保たれたままでいられるので、その内部に取り込まれたものは、圧縮されたままの状態を保てる。今回の氷は、そうして高圧力の地下でダイアモンドの中に取り込まれた小さな水の泡が、圧縮状態はそのままに冷えて固まりice-VIIとなったものが見つかったのだ。この発見は3月9日にScienceに発表されている。

だが実際にはこの発見は偶然だったようで、この研究に当たったネバダ大学のオリバー・チャウナー(Oliver Tschauner)教授によれば、彼の研究チームは実際にはダイヤモンド内に変わった状態の二酸化炭素が取り込まれているものを探していたとのこと。探していたものが見つからなかったのは残念だが、こうして今回見つかった地球で自然に生まれたice-VIIは国際鉱物学連合により鉱物として認定された一大発見となったのだ。

What scientists found trapped in a diamond: a type of ice not known on Earth(LA Times)

Ice-VII inclusions in diamonds: Evidence for aqueous fluid in Earth’s deep mantle(Science)

The 17+ Different Kinds of Ice!(YouTube – SciShow)

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