背筋をピン! かわいいミーアキャットの理にかなった生態

ミーアキャットは夜が明けると巣穴から出て、一斉に日光浴を始める。まだ小さな子どもたちが背筋をピンと伸ばして遠くを見つめる姿は特に可愛らしいが、当然ながら荒野の真ん中で可愛さをアピールしているわけではない。彼らは過酷な自然環境を生き残るために“立ち上がる”のだ。

ミーアキャットはマングース科スリカータ属に分類される食肉類で、体長は約30センチと小さめ。昼行性のため日が昇ると外に出て、日が沈めば巣に帰るという規則正しい生活を送っている。そんな彼らが巣穴から出て直立不動になる理由の1つは、お腹を太陽にさらけだして日光を浴び、体温調節するため。普段は四足歩行だが、尻尾で体を支えて器用に直立してみせる。そして十分に体が温まると、食べ物を探すための行動開始だ。

彼らの食事は見た目に似合わずかなりワイルド。果実以外に昆虫、クモ、ヘビと好き嫌いなく何でも食べるが、主食であり大好物なのがサソリ!
つまりミーアキャットはサソリの猛毒に耐性を持っているのだが、ときには人の命を脅かすサソリを食べてしまというワイルドさゆえに「砂漠のギャング」とも呼ばれている。

とはいえ、それも自分より体が小さな相手に対しての話。タカ、フクロウ、コブラ、ジャッカル、大きなトカゲといった天敵から身を守るため、常に警戒を怠らない。ミーアキャットが立つもう1つの理由は、できるだけ高い位置から視界を確保し敵を発見するためなのだ。

ミーアキャットは群れで生息しているため、見張りは1時間ごとの交代制。敵の存在を察知すると、独特の鋭い声で仲間に知らせて散り散りに逃げる。しかし一心不乱に逃げるためか、群れからはぐれてしまうこともあるんだとか。

太陽に体を向け、地平線を見つめるミーアキャットたち。凝然と立ち尽くす理由を知れば、その可愛らしい姿も勇壮に見えてこないだろうか。