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人類がゾンビ・アポカリプスを生き延びるには…ブラジルの国立大学が真面目に計算

もしもゾンビ・アポカリプスが起きたら、我々人類は助かることができるのだろうか?数学モデルを用いたブラジルの研究によれば、ゾンビに打ち勝つことのできる軍力を持つ国家は現在世界にほぼ存在しない。しかし、もし一般人が強ければ、ゾンビたちに勝つことができるようだ。 

ゾンビの論文

ブラジルのジュイス・デ・フォラ国立大学が2月19日に発表した論文では、人類がゾンビに襲われるという架空の世界での、人類の生存の可能性を複雑系を使い計算している。もちろん、民間伝承として伝えられるゾンビもあるし、アメリカのスミソニアン博物館にもゾンビは展示(現代文化エリアにだが)されているとはいえ、ゾンビ・アポカリプスは架空のできごと。研究者たちもこれが実際に起こるとは思っていないが、「このようなシナリオを数学的モデル化する方法を学ぶことはとても有益」であり、これは経済学や生物学、社会行動などの数学的モデルを作る際にも役立つなどとしている。

実はこれまでにもゾンビを題材にした論文は、都市部でのゾンビの発生に関するもの(Badham et al. 2014)や「ゾンビの数学モデル」(Cartmel et al. 2014)、「ゾンビ襲来の時!ゾンビ感染アウトブレイクの数学モデル」(Munz et al. 2009)などがあったものの、今回の論文ではそれらに欠けていたゾンビに立ち向かう要素として「軍隊」をつけ足した点が大きな違いだ。 

ゾンビVS一般人VS軍隊

この論文では、「ゾンビ」、「人間」、「軍隊」という三つの要素が都市部に存在する。ゾンビと一般人である人間が遭遇した際には、「人がゾンビを倒す」、「ゾンビが人を殺す」、「ゾンビが人をゾンビ化させる」という三つの可能性が計算される。しかし訓練を受け装備も万全な兵士とゾンビが会った際には、兵士がゾンビを倒す確率は高く、兵士がゾンビになる確率は低く計算された。また、人間と兵士が遭遇した際には殺し合いは発生せず、兵士がこの民間人を訓練することで「人間」が「兵士」に変わる。また「強い軍隊」、「凶暴なゾンビ」、「とても強い軍隊」、「抵抗力のある人間」などのパラメーターも考えられた。

最終的に「もしも急にゾンビアウトブレイクが発生したら…」という仮定のもと、兵士がゾンビと遭遇した際に兵士が勝つ確率が80%という「強い軍隊」パラメーターを用いた場合、人間1000人に対して兵士が47人以上存在する場合、人間が生き延びることとなった。これを世界の軍事情勢を分析したレポート「ミリタリーバランス2017」(The Military Balance 2017)のデータと比較したところ、1000人に対し兵士が47.4人存在する北朝鮮のみがゾンビ・アポカリプスを生きながらえることができるという結果に。比較までにアメリカは一般人1000人当たりの現役兵士は4.2人、ブラジルでは1000人当たり1.6人となっている。しかしそれと同時に、この「強い軍隊」パラメーターでは、人類は最終的に勝利をおさめはするものの、一般人の人口は最終的に当初の12.1%しか生き残らない。 

ゾンビ・アポカリプスを生き延びる別の可能性

一方でより健康的で強い一般人を想定した「抵抗力のある人間」パラメーターで計算した場合では、驚くべき結果が出た。通常のパラメーターでは人間がゾンビと遭遇した際に、人間が死ぬ確率が60%、ゾンビが死ぬ確率が10%、人間がゾンビ化する確率が30%とされているが、この抵抗力のある人間パラメーターでは確率がそれぞれ60%、10%、30%と調整されているものだ。この「抵抗力のある人間」パラメーターでは、なんと全てのシミュレーションで人間が生き延びることとなったのだ。

もちろんこれは複雑系と言えども単純化された数学モデルでの結果でしかないが、軍隊が強くなくとも一般人にある程度の強さがあればゾンビ・アポカリプスを生き延びることができるというのは驚きの結果だ。このことから研究の最後部分は「食生活からお菓子をなくして、運動やスポーツ、マーシャルアーツでもでもしたら」などと締められている。食生活を変えたくないし運動も嫌だという方は、イーロン・マスクのつまらない火炎放射器でも買っておくと、ゾンビへの備えになるかもしれない。

Modeling our survival in a zombie apocalypse(Cornell University Library)

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