Credit : NASA/JPL-Caltech/Charles Miller

温暖化でとけだす永久凍土、そのさまざまな影響

皆さんは「永久凍土」をご存じだろうか?「永久」なんて名がついているから、当然のように未来永劫凍ったままでいると思ったら大間違い。地球温暖化の影響を受けてとけるだけでなく、温室効果ガスもたっぷり詰まったところなのだ。 

永久凍土とは

永久凍土とは、2年以上にわたり0度以下の凍った土壌を指す。国際永久凍土協会(International Permafrost Association)によれば、北半球の陸地に占める永久凍土の割合は25%。範囲にして2,300万平方kmだ。

永久凍土とされるには2年より長い間0度以下であればよいので、当然ながら北極北部に多いが、それ以外にも高い山の上などにも存在する。その分厚さも1m以下から1,500m以上まで様々で、そのほとんどは何世紀も前、氷河時代に形成されたまま、より暖かくなった今でも残るものだ。また、永久凍土から筒状に土壌を切り出し、各深度を調べることで、過去の気温の変動を調べることもできる。この手法により、1960年代以降多くの地域で気温の上昇も確認されている。

永久凍土が解けて地盤が傾いたカナダの道路 – Credits: P. Morse June 2013 via Natural Resources Canada

温暖化と永久凍土

地球の温暖化も永久凍土にとって深刻な問題だ。なぜなら永久凍土がとけることでは様々な問題も起こるからだ。地盤が不安定になったりすることで、カナダでは道路が大きく凸凹になってしまった箇所も出ている。また、永久凍土が閉じ込めている炭素がとけだすことで、大気中の温室効果ガスが増えるという懸念もある。

永久凍土の中には腐敗することなく氷に閉じ込められた植物など、炭素を多く含む有機物が入っている。これがとけでて分解されることで、大気中に二酸化炭素やメタンなどの温室効果ガスになってしまうのだ。

特にここ数十年の間では低地や山で永久凍土がとけている。これに伴い、永久凍土の南限も北上している。ということは、現在一番南にある永久凍土がある部分が一番の問題になりそうだが、大気中の温室効果ガスの増加に関しては、大きなかたまりで存在している北部の永久凍土がとけだすことが先より大きな問題になるようだ。

Credit: Creative Commons

永久凍土から解け出る温室効果ガス

これまで、一番気温の低い北極北部は温暖化に与える影響は南部と比べ低いと考えられていた。しかしNASAが3月6日に掲載した調査結果によれば、どうやらそうではないようだ。

現実に南部の方が速く氷がとけており、北部の方はゆっくりとけている。では南部の方が温室効果ガスをより多く出すと考えてしまうが、実際には南部はより暖かいため植物の成長が早く、成長に伴い大気中の炭素が少なくなるのだ。一方で北部は永久凍土の割合が多いこともあり、1世紀の間にとけでる炭素量は南部の5倍も高い。そのうえ北部は寒いため、永久凍土がとけでても植物が育ちにくい。

このためシミュレーションでは、南部では大気中の炭素量の上昇はゆるやかであったが、北部ではそれと比べて早いと出た。このモデルでは、南部で増加する植物のおかげで光合成が増し、2100年代後半までは炭素放出のバランスが取れるとのことだ。そう、2100年代後半までは…。

地球の「食糧の箱舟」と呼ばれるノルウェーの種子保管施設も、冷凍機能を考慮して永久凍土に囲まれた位置に建てられていたが、2016年には温暖化で永久凍土がとけて浸水していたことが判明。先日話題になったのも記憶に新しい。「永久」という名前を過信しないで、今後も凍土が永久に凍ったままでいられるよう努力していきたいところだ。

Far Northern Permafrost May Unleash Carbon Within Decades(NASA)

What is permafrost?(IPA)

Permafrost(Government of Canada)

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