Credit : チリのアタカマ砂漠 - Credit: Dry Limit of Life Project

水がなくても生きられる微生物を発見…火星にも生命の可能性あるか

地球上でもっとも乾いた砂漠にも微生物が棲息していることがわかった。過酷な環境に適応した微生物の存在は、火星にも生命が棲息している可能性を示しているそうだ。

そして、火星 – Credit: NASA/JPL

南米チリの北部に広がるアタカマ砂漠は、地球上で最も降水量の少ない地域として知られている。東京大学の河野孝太郎教授(天文学教育研究センター)によれば、強い寒流であるフンボルト海流の存在により海からの蒸発量が少なく、おまけに標高が高くて空気が薄いので、生物にとっては非常に厳しい環境だ。

チリでは長らく「死の谷」と呼ばれていたのもうなずける。そして、同じように過酷な環境として知られる火星の画像を比べてみると、とてもよく似ていることがわかる。アタカマ砂漠は地球上でもっとも火星に似ている地形だと言い換えることもできるだろう。

Credit: Dry Limit of Life Project

その「死の谷」を調査しようと、アメリカのワシントン州立大学教授率いる研究チームが降り立ったのは2015年。そして、驚くべきことが起こった。なんと雨が降ったのだ。

雨が降った後に研究者たちがアタカマ砂漠の土壌を丁寧にすくい取って調べた結果、たくさんの微生物が爆発的に活動している様子を観察できたそうだ。

2016年と2017年にも同じ場所を調査したが、土壌の水分が失われていく過程で微生物は仮死状態となった。これらの微生物は、おそらく仮死状態のままで何百年、何千年と次の雨を待ち続けるという。このように厳しい環境にも適応して生きている生物が地球上にいることは、火星にも同じような生物がいる可能性を充分に示唆している。

火星はアタカマ砂漠を極端に冷やしたような、さらに過酷な環境だと考えられている。しかし何十億年も昔の火星には小さな海や湖があり、原始的な生物が繁栄していたと考えてもおかしくない。

太陽に水分を奪われて大気を失い、乾いて冷たくなっていった火星にも、ひょっとしたらアタカマ砂漠の微生物のように仮死状態になって逆境を耐え忍んでいる生命がいるかもしれない。

Life on Mars is possible after scientists find bacteria flourishing in driest place on Earth (The Telegraph)

Transitory microbial habitat in the hyperarid Atacama Desert (PNAS)

Atacama Dry Limit of Life Project (Technische Universität Berlin)

Life always finds a way (Washington State University)

The Valley of Death (Welcome Chile)

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