Credit : Invader via Facebook

世界中を侵略するスペースインベーダーのモザイクアート

「インベーダー」(Invader)として知られるフランスのストリートアーティストをご存じだろうか。彼は世界中にゲーム画面から飛び出したようなピクセル画風のモザイクタイルを作る人物だ。

アーティスト、インベーダー

「スペースインベーダー」(Space Invaders)と呼ばれるプロジェクトで世界的に知られるインベーダーの作品は、名前から想像されるようにタイトーのアーケードゲーム『スペースインベーダー』の宇宙人たちがゲームの画面の中から飛び出し、街の中に現れたようなモザイクタイル作品。作品のモチーフは当初ゲームからのものであったが、次第にオリジナルのものや、他のポップカルチャーアイコンを模したものも登場している。1998年から今も続けられている彼の活動により、今では世界中の76都市に合計3624もの作品が「侵略」してきている。

ある意味、グラフィティとも似たストリートアートであるが、その背景にある意図は、美術館など限られた場所にしかアートが存在しないことにより、人々と疎遠となったアートを解放しようというものだ。アートを文脈から切り離し、日常の中、街中に置くことで、人々の日常に驚きを与える。そしてこのコンセプトが街中のみならず人々の頭の中までも侵略する、というわけだ。

Credit: Invader via Facebook

空間の侵略者たちゲーム

『スペースインベーダー』がモチーフに用いられていることは、作中キャラクターのドット絵がただタイルで表しやすいというだけでなく、文字通りゲームの英題である『Space Invaders』、すなわち「空間の侵略者たち」という意味合いも持つ。インベーダーは街の中で「神経痛」のある場所を見出し、そこにモザイクタイル作品を貼り付ける。インベーダーの言葉を借りれば「都会の鍼治療」だ。

とはいえ街中に勝手に作品を貼り付けるのは違法行為ではある。時には彼のアートに理解のある警察もいるものの、以前インベーダーを支援していたギャラリーオーナーはこの違法者を支援していたかどで2週間刑務所に入れられた。インベーダー自身も次回入国すれば起訴される可能性があるためにもう行くことのできない国が数か国あるという。もちろん自分の所有地が侵略されたことを快く思わない持ち主に作品を撤去されたり、作品だと知らずに壊されることもあるし、中にはインベーダーの作品を転売しようと取り外すものもいるようだ。

Credit: ESA/NASA

作品は宇宙にまで

先にお伝えしたように、現時点で世界中76都市にインベーダーの作品が存在するが、実はこれ以外にも国際宇宙ステーションISSにもインベーダーの作品は存在する。日本であれば東京にはすでに6ウェーブ襲来しており、インベーダーの数は138。東京以外に日本周辺には韓国の大田と中国の香港しか「侵略」されていないが、フランス、ドイツ、ベルギー、オランダ、スイスなど、西ヨーロッパには多数インベーダーの作品が見られる。なお、世界のどこが侵略されているのかを示す侵略マップ「World Invasion」(マップにはちゃんとISSの位置も表示される)は、インベーダーの公式ウェブサイトからご覧になれる。

「スペースインベーダー」プロジェクトの開始からすでに10年が経過したが、インベーダーは現在も精力的に侵略活動を続けているようだ。

(Space-Invaders)
World Invasion(Space-Invaders)
Space Invaders(ESA)

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