ブラジルで人魚が急増中!知られざるプロ人魚の世界

半人半魚の伝説の生き物、人魚。女のものはマーメイド、男はマーマンなどと知られる人魚だが、「プロの人魚」という仕事が存在すること、そしてブラジルには1000人以上の「人魚」がいることなどはご存じだろうか。

プロの人魚

アンデルセンの『人魚姫』や、それを下敷きにしたディズニー映画『リトルマーメイド』などでも知られるあの人魚が職業になるなんて、どういうことだろう。伝説によっては船の沈没の兆しであるともされている人魚だが、もしや違法操業をする船を海に引きずり込むために漁業取締船に雇われている海軍特殊部隊員だったり?

いやいや、人魚のコスチュームに身をまとい、人を楽しませるのがブラジルの人魚の仕事だ。しかもなかなか割がいいらしい。プロの人魚アイスン(Aysun)にインタビューするDAZEDによれば、「ドライ・ギグ」と呼ばれる陸で人魚の格好をして座っているだけの仕事は時給35ポンド(約5200円)、「ウェット・ギグ」という泳がなければいけない仕事は時給50から75ポンド。1ポンド149円換算で、約7500円から1万1000円なのだ。

とは言え人魚の仕事(「人魚業」と呼びたいところだが、そうするとまるで漁業のようだ)も楽ではない。ただ『リトルマーメイド』の主人公アリエルを真似しただけのような人魚では声がかからないので個性も大切。それに人魚のコスチュームの質も重要な要素だ。人魚の尻尾のコスチュームはちゃんとしたものだと安くはない。良い質の尻尾はシリコンやクロロプレンゴムでできており、お値段は30万円近くするのだ。

泳ぐ仕事であるウェット・ギグの方はもっと大変だ。両足を別々に動かせない状態で泳がないといけないのだから。腕でかじを取りながら、両足をそろえてドルフィンキックを行い泳ぐのはかなりの訓練を必要とする。

人魚が急増するブラジル

なお近年ブラジルでは人魚になりたい人が増えており、そのためプロの人魚のほかにも、毎週、人魚になりに海に行くというライフスタイルとして取り入れる人も増えているとNPRは報じている。ブラジルでのこういった人魚の人口は1000人以上だとみられており、人魚人口増加の要因には、現在人気のソープオペラ(昼ドラ)の主題歌が人魚を題材にしたものとなっていることもあるようだ。

こちらが人気ソープオペラ『A Força de Querer』主題歌「Sereia」。主題歌名は「マーメイド」を意味する。

ただ、プロではない人魚が急増する一方、両足の動きが制限される慣れないコスチュームに身を包むことで事故になったり溺れたりする危険性もあると、ブラジル政府機関は注意を促すキャンペーンを行っている。

なお、インターネット上には「MerNetwork」などの人魚のコミュニティーなども存在して、陸に住む人魚たちの情報収集、情報共有の場となっているようだ。自分も人魚になりたいという方はそういうコミュニティーに足(もしくは尾びれ)を踏み入れてみるといいかもしれない。

‘Mermaids’ And ‘Mermen’ Of Brazil Refuse To Be Tamed(NRP)
How to become a professional mermaid(DAZED)
Brazilian ‘mermaids’ ride quirky fashion wave(Channel NewsAsia)
Roberto Carlos – Sereia(YouTube)
(MerNetwork)