中国が極超音速飛行の旅客機を開発中、北京‐ニューヨーク旅行も数時間で?

アメリカと競いながら超音速ジェット機を開発中の中国が、まったく新しい形の極超音速ジェット旅客機を発表した。

これは、Science China社が発行している学術誌「Physics, Mechanics & Astronomy」で論文が掲載した。論文の著者であるKai Cui氏は権威ある中国科学院に所属しており、中国政府の軍事開発も担当しているとみられている。

Cui氏らが発表した論文によれば、この新型旅客機は理論上ではマッハ5以上の「極超音速飛行」が可能。まだ構想段階ではあるが、風洞設備を利用した縮小モデルの実験では音の速度であるマッハ1よりも7倍速いマッハ7(時速8,600キロ以上)をマークしたという。このスピードなら「北京からニューヨークまでほんの数時間しかかからない」とCui氏は書いている。なお、一般的なジェット旅客機では同じ距離の移動に14時間ほどかかる。

Cui氏の論文は非常に簡素で詳細を語らない内容だが、どうやら速さの秘訣は翼のデザインにありそうだ。論文によれば、主翼が上下2枚に分かれ、そのうち上部の翼は極超音速飛行による圧力を受け流す役割を果たすという。この上下の翼に機体が挟まれて真横から見ると「I」の字に見えることから、「I-Plane」と名づけられた。2枚の主翼から浮力が生じるためにより多くの旅行客と貨物を運べるようになるそうで、ボーイング737機に匹敵する大きさのI-Planeならば50人ほどの旅行客を搭乗できるそうだ。

I-Planeが現実的に旅客機として機能できるかは未知数だ。まずは極超音速飛行により生じる摩擦熱をどのように対処するかが課題となる。加えて、マッハ7の速度の飛行が人体に与える影響とリスクについても重々に調査が必要だ。

ボーイング社の超音速ジェット機X-51ウェーブライダー – Credit: U.S. Air Force

これまでも極超音速飛行が可能なジェット機はいくつか開発されてきた。アメリカのボーイング社が開発したX-51ウェーブライダーに続き、ロッキードマーティン社も無人軍用機のSR-72を極秘開発中だという。今回新しい極超音速飛行機を発表した背景には、アメリカにプレッシャーを与えたい中国の狙いがあるとみられている。

音速より早い民間旅客機で有名なのはイギリス・フランスが共同開発したコンコルド。マッハ2の飛行が可能だったが、需要が定着せずに2003年に終業した。アメリカでは現在ロッキードマーティン社がマッハ1.4で飛行が可能な民間旅客機QueSSTを開発中で、2020年からテスト飛行を開始する予定だ。

Hypersonic I-shaped aerodynamic configurations (Physics, Mechanics & Atronomy)
Beijing to New York in 2 hours? Chinese team reveal hypersonic plane ambition (South China Morning Post)
China Announces Plan for Hypersonic Jet Able to Reach New York from Beijing in Two Hours (The Independent)