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日本の衛星「あらせ」、瞬くオーロラの起源を解明

大空に不思議な光を灯すオーロラには実は数種類あり、一般的に知られるカーテン状の明るいもののほか、淡く空にまたたく斑点状のものがある。このうち後者の仕組みを日本のジオスペース探査衛星「あらせ」と、米国のTHEMIS地上全天カメラにより、初めて直接観測し、その仕組みを確認することができた。

オーロラの仕組み

今回の観測を説明する前に、よく知られるカーテン状のオーロラも説明しておこう。地球は太陽や星間空間から降り注ぐ高エネルギーから磁気圏により守られている。それでも強い太陽フレアが起きた際などには、電気を帯びた高エネルギーの粒子が中に入りこんで、磁気圏の夜側の面に溜まる。ところが磁気嵐が起こると、このような溜まっていた電子などが放出される。するとこれが地球の高層大気まで落ちてきて、そこにあるほかの粒子と衝突し、オーロラとなって光るのだ。

一方、今回観測された瞬く斑点状のオーロラは「脈動オーロラ」と呼ばれるものだ。これは、通常は磁気圏内を南北に往復する電子が、「コーラス波動」と呼ばれるプラズマの波動により揺さぶられ、大気に落ちてくることで現れるもの。これが間欠的に生じることで、斑点状に脈動するオーロラが現れる…と、仕組み自体はこのように考えられてきたものの、これが直接観測されることはこれまでなく、どのように起こっているのかは謎であった。

Credits: ISAS/JAXA via NASA

世界初の観測

それが今回、ジオスペース探査衛星あらせによるプラズマの観測、そしてTHEMISによるオーロラの観測を同時に行い、初めてこれを直接観測できたばかりか、あらせとTHEMISによりおなじ磁力線上のプラズマを観察するという幸運にも恵まれた。得られたデータからは、コーラス波動と同期するように振り込む電子も変動する様子が世界で初めて観測された。これで、脈動オーロラのプロセスが、コーラス波動が発生し、電子が揺さぶられることで、往復運動をしていた電子が大気に振ってきてオーロラの発光が間欠的に起きることが確認されたのだ。

この論文はNatureオンライン版に2月14日に発表された。今後は、あらせがその後も集めているデータを解析することで、オーロラの起こりやすい条件や、電子がそれ以外の方法で振り込むメカニズムなども探るという。

Pulsating Aurora Mysteries Uncovered with Help from NASA’s THEMIS Mission(NASA)
明滅するオーロラの起源をあらせ衛星が解明-宇宙のコーラスにあわせて密かに揺れる電子の挙動がつまびらかに-(JAXA)

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