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死の危険をはらむ子供のスーツケースの旅…密入国斡旋業者に騙された父親

トップ画像は数年前、スーツケースに男の子が入っているのがX線検査で発見されたときの写真だ。子供を危険な手段で密入国させようとした罪で父親は裁判にかけられ、先日、判決が下された。

スーツケースの危険な旅

2015年、モロッコ北部とスペイン領セウタとの国境で、スペインに渡ろうとした若い女性が重そうなスーツケースを運んでいるのをスペインの警察が怪しみ、X線検査機に通した。すると中には男の子の姿が…。

中に入っていたのは当時8歳のコートジボワール人の男の子。幸いなことに男の子は無事であり、この事件は人身売買ではないことも判明した。

2006年に彼の父親がスペインに密入国していた。その後、父親は家も仕事も手に入れ、妻と娘は合法的に呼び寄せた。息子も呼び寄せようとしたものの、彼の収入が家族全員を世話するのには足りないなどの理由でスペイン当局から許可が降りなかった。彼は業者に依頼し、こっそり息子をスペインに運んでもらおうとしたのだ。

父親は子供の命を危機にさらし、違法に欧州に入国させようとした疑いで裁判にかけられていたが、業者は車で子供を運ぶと説明しており、まさかスーツケースに息子を入れて運んでくるとは知らなかったという。そういった経緯から、父親は軽い罰金刑で済んだようだ。

スペインの飛び地領であるセウタは、国境を高いフェンスに囲まれているものの、車のダッシュボード下や、バスのシャーシなどに隠れて近隣諸国から入ろうとする人が後を絶たない。しかしスーツケースの中に入るというのは危険だ。前述の少年もスーツケースの中は息苦しかったと語っているが、この事件が起きた暫く後には、やはりモロッコからスペインに密入国しようとしていた男性が、車のトランクの中のスーツケースに入った状態で窒息死しているのが発見されている。

更に危険なスーツケースの空の旅

なお、スーツケースに人を入れて密入出国をしようとする例の中にはそのスーツケースを飛行機の預け入れ荷物としてしまおうとする例もある。すでに窒息する危険性のあるスーツケースに人を入れるのも危ないのに、それが乗客のいるキャビンよりも寒い預け入れ荷物の格納カーゴに入れられてしまうのだからなお危ない。とは言え凍るほど寒いわけではなく、例えばエア・カナダによればボーイング767機ではカーゴの荷物エリア温度は+7度以上に保たれるという。窒息する可能性もある上に寒い、かといって厚着すればスーツケースがパンパンになって目立ってしまうこれはどう考えても分が悪い。それに、他の荷物と一緒にぎゅうぎゅう図目になることも忘れてはいけない。1985年にアメリカで起きた事例では、ロサンゼルス国際空港でスーツケースの中から窒息した女性の遺体が見つかっている。この件では、どうやらスーツケースの外から加わった圧力により呼吸が妨げられたために窒息死したと見られる。

X線にもご注意を

また、先日ハンドバッグを持ったままX線検査機の中を通過した女性が話題となったが、その例や、画像のようにX線検査機で調べられた場合、人体に放射線の一種であるX線が浴びせられていることも注意しないといけない。空港の全身スキャナーなどの保安検査機や医療用のレントゲンやCTなどは人体に照射することを念頭に設計されているが、手荷物検査用のX線検査機は安全性が配慮されているとは言い切れない。

Spain: Father of migrant boy found in suitcase in Ceuta freed(BBC)
Father of boy smuggled into Spain in suitcase on trial(AFP)
Spain – X-ray scan reveals boy in suitcase being smuggled into country(YouTube)
What temperature is it in the baggage hold?(Air Canada)
Suffocation in Suitcase(NY Times)

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