Credit : Current Biology

世界初、深海に棲むダンボオクトパスの誕生シーン

まるで大きな耳をはばたいて飛ぶような姿から「ダンボオクトパス(学名:Grimpoteuthis)」と名づけられた深海ダコの一種の卵が見つかり、その孵化の様子が初めて映像に捉えられた。

ダンボオクトパスはメンダコ、センベエダコなどと共に深海ダコの仲間。通常水深3000~4000メートルの海底でゴカイ類や甲殻類を捕って暮らしている。ダンボオクトパスの生態を観察するのは難しく、今まで初期のライフサイクルについてはあまりよく知られていなかった。

Credit: Current Biology

2005年にアメリカのウッズホール海洋研究所が無人探査機で大西洋の海底を調査中に、いくつかの「茶色っぽいゴルフボール大のもの」が海底のサンゴの枝にひっかかっているのが発見され、船に引き上げられた。ほとんどはすでに割れて中身がなくなっていたが、ひとつだけ崩れていないものがあったそうだ。

ダンボオクトパスの卵と、生まれたばかりの赤ちゃん – Credit: Current Biology

そこで深海と同じぐらい冷たい水に浸して様子を見たところ、小さなダンボオクトパスが誕生した。はじめはあまり動かなかったものの、しばらくすると大きなヒレを動かして泳ぎ始め、生まれながらにして成体と同じ能力が備わっていることがわかったそうだ。

ダンボオクトパスの赤ちゃんは成体のように視覚と化学的センサーを使ってまわりの環境を感知し、エサも自分で捕れるそうだ。さらに、体内に大きな卵黄嚢を持ち合わせているので、狩りに失敗してもしばらくはエネルギー源に困らないそうだ。

誕生の神秘を見せてくれたダンボオクトパスの赤ちゃんだが、船に引き上げられた時のストレスのせいか、長くは生きられなかったそうだ。

Dumbo octopod hatchling provides insight into early cirrate life cycle (Current Biology)
The mysterious deep-sea Dumbo octopus hatchlings look just like adults (ZME Science)

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