コーヒーと鳥の不思議な関係…自然の多様性に影響を与えるロブスタコーヒー

コーヒーの栽培は、野生の動物の住処をもたらす。だがコーヒーの品種により生物の多様性に与える影響が違うのか、世界的な生物多様性ホットスポットとも言われるインドの西ガーツでの調査によると、ロブスタコーヒーの方が鳥類の多様性に良いことが判明した。

Scientific Reportsに2月16日に発表されたこの研究では、アラビカコーヒーノキとロブスタコーヒーノキで、コーヒー種の違いにより環境に与えられる影響は異なるのか、特に鳥類の保護の観点から2種に差があるかが調べられた。この2種類は世界のコーヒー生産のツートップで、アラビカは世界生産の約60%、ロブスタは約40%を占めている。

その結果、アラビカコーヒーノキのほうが鳥類の種類が多様だが、ロブスタコーヒーノキの方はより豊かな生物多様性をもたらすことが判明した。ロブスタの方では、果実を食べる種など、いくらかの繊細な鳥類の密度が高かった。また、ロブスタの方が病気などに強く、使用される殺虫剤の量もこちらの方が少ない。ちなみにロブスタコーヒーは英語では「robusta coffee」と記す。robustは強健などの意味を持つ。

写真はロブスタコーヒー農園 – Credit: Creative Commons

アラビカコーヒーノキは、森の中で影のあるところに低密度に栽培され、対するロブスタコーヒーノキは太陽を一面に浴びるタイプで、高密度に栽培されるもの。元々アラビカの方が高価格だったため多く栽培されてきたのだが、ここ20年で農家はロブスタを多く栽培してきている。その理由は、ロブスタの価格が上昇し、価格差が少なくなってきていること、アラビカとは違い病害虫に強く育ち殺虫剤も少なくて済むこと、今後気候変動によりアラビカの生産性はより低くなるとみられる事などだ。それでもヘクタールあたりの利益はアラビカの方が高い現状ではあるが、以上のことからロブスタの方が農家にとって価値があるため、今後熱帯アジア地域ではロブスタコーヒーノキの栽培が盛んになるとみられている。

今回の研究はアラビカからロブスタへの栽培の移行が自然の多様性に与える影響を知ることがポイントであった。少なくとも西ガーツでの今回の調査では、ロブスタコーヒーノキの栽培は農家にとっても鳥たちにとっても良いという、ウィンウィンな関係であることがわかったわけだ。

Coffee farming “can be a win-win for birds and farmers”, paper finds(ZME Science)
Birds and beans: Comparing avian richness and endemism in arabica and robusta agroforests in India’s Western Ghats(Scientific Reports)