Credit : Julius-Maximilians-Universität Würzburg

マタベレアリは仲間の救護をする…人間以外の動物で初

サハラ以南のアフリカに棲息するマタベレアリは、傷ついた仲間の救助に駆けつけるだけでなく、巣に戻ってから仲間の傷の手当てをしていたことがドイツの大学の研究により明らかになった。傷を癒す行為は人間以外の動物で初めて確認されたそうだ。

マタベレアリの獲物はシロアリ。近隣のシロアリの巣をめがけて200匹から600匹の大群で押し寄せて、一日に2~4回も狩りをする。アリ同士の激しい戦いの末、負傷して自力で巣に戻れなくなったマタベレアリはフェロモンをだして救援を要請する。すると、マタベレアリの救援隊がやってきて巣まで連れ帰ってくれるそうだ。

救援隊の仕事はここで終わらない。巣に戻ると負傷した仲間の傷をくまなく舐めて手当てする行動まで確認されたそうだ。シロアリに足を噛みちぎられたりして重い傷を負ったマタベレアリは、放っておかれると20%しか生存できないが、救援隊に傷の手当てをしてもらった場合は90%が生き延びることもわかった。

傷を舐めることでただゴミを取り除いているのか、それともなにか抗菌作用のある物質を傷口に塗っているのかはまだ分からない。もし「薬」を使っているのだとしたら、将来的には人間にも転用できるかもしれないという。

さらに、マタベレアリは救援にあたる際にトリアージに似た行動をとるそうだ。負傷者の重症度に基づいて救援の優先度を決めるのだが、なんとマタベレアリの場合、優先度を決めるのは負傷者自身なのだそう。

比較的軽い傷を負ったマタベレアリは、救援隊に運んでもらいやすいようにおとなしくしている反面、致命傷を負って助かる見込みのないマタベレアリは暴れてせっかくの救援も拒否するそうだ。アリのような社会性昆虫にとって、再生する見込みのない個体には価値がないと知っての自己犠牲なのだろうか。

ちなみに、どんな世界にもちゃっかり者はいるようで、軽傷でもわざともたついて仲間に運んでもらおうとするマタベレアリもいるそうだ。しかし、ちゃっかりさんは確実に仲間に無視される。そして仲間に置いてきぼりにされたあげく、すごすごと自力で巣に戻るそうだ。

Medical ants rescue and care for injured comrades (ZME Science)
Soldier ants carry comrades wounded in raids back to base (New Scientist)
Medical care for wounded ants (Julius-Maximilians-Universität Würzburg)

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