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電気ショックで脳の記憶力が15%改善、アルツハイマー治療への活用なるか

アルツハイマー病患者の脳に電気ショックを与えることで記憶が15%改善する。まだ研究の初期段階ではあるものの、そんな希望のもてる結果がアメリカから報告された。

今回の実験は、脳の言語処理や新たな記憶の生成と整理にも重要な役割を持つ側頭葉に電気ショックを与える形で行われた。患者らは画面に1.6秒間表示される12の一般的な単語を記憶するよう指示され、その後、記憶の妨げとなるように算数問題を解かせてから、先ほどの言葉を思い出してもらった。それと同時に患者の脳の状態はfMRIにより観察され、効率的に記憶できそうな状態と、記憶できなさそうな状態をAIが識別できるようにした。そして、思い出せない場合にのみ電気ショックを与えるという、クローズド・ループ(Closed-loop)手法がとられた。

実はこのような電気刺激による研究は他にも行われてきたが、この研究の特徴は、実験対象の活動に対応して刺激が与えられたことにある。このような刺激はクローズド・ループと呼ばれ、これとは逆に現在の活動とは関係なく刺激を与えるものはオープン・ループ(Open-loop)と呼ばれる。これまでオープン・ループで行われてきた同様の記憶に関する実験では、記憶が向上するというものと、記憶が低下するというもの両方が観られた。

今回実験では15%であるものの確実に患者の記憶を改善することができた。それでも今回の実験はまだ初期段階で、この方法のアルツハイマーの治療としての有用性について断言するにはまだ時期尚早ではあるものの、イギリスの専門家らはこの結果には期待がもてるとしている。

Electric shock to the brain boosts memory ’15 per cent'(The Telegraph)

Electric pulses to the brain can improve memory as much as 15 per cent, finds study(Independent)

Closed-loop stimulation of temporal cortex rescues functional networks and improves memory(Nature Communications)

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