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シャチは人間を真似て「ハロー」と喋る

映画『オルカ』や『フリー・ウィリー』などでおなじみの海の哺乳類動物、シャチ。実はシャチたちは、人の言葉を真似して話すことができるのだ。

研究では、シャチが人の言葉「ハロー」「ワン、トゥー、スリー」「エイミー」などを真似た音を出していることがわかった。なおこれらの音声の一部はThe Conversationの記事で聴くことができる。

シャチ達は「コール」と呼ばれる鳴き声を出すことでも知られている。シャチの集団はそれぞれ独特のコールの「方言」を持ち、小さな群れや複数の群れの集まりでも特有のコールが用いられる。人間に囚われて、元居た場所とは違う環境で他のシャチに加わらなくてはならなかったシャチは、用いるコールを他のシャチたちの使うものに適応させる。人間で言えば転校生が徐々に転校先の地域の方言に染まっていく感じに似ているだろうか。

今回の研究はフランスのマリンパークのシャチに対して行われた。真似させるために用いられた人語はシャチの日常生活に親しみのない音を使用。つまりシャチは耳慣れない言葉を「耳コピ」することができるということだ。研究ではこれは野生のシャチが集団間で用いる方言が仲間の音を真似ることで覚えられ、口承されていくという仮説を裏付けるとされている。

ただ、海洋哺乳類やコミュニケーションの進化などに造詣の深いセント・アンドルーズ大学のルーク・レンデルが指摘しているとおり、シャチの複雑なコミュニケーションを人間が理解できていない現状では、囚われた環境でのシャチが人の出す音を真似することがどのような意味を持っているのか、自由な環境に居るシャチが用いる音とどう違うのかは大きな謎のままだ。

英ラジオドラマ『銀河ヒッチハイク・ガイド』では、高度な知的生命体であるイルカが、地球が破壊されることを人類に警告する意味でジャンプしたりボールをついたり鳴いたりしていたのだが、人間はその意図を誤解していて……という話があった。もしかしてシャチもなにか重要なことを人類に伝えようとして人語を真似てコミュニケーションをとろうとしている……のかもしれない?

‘Talking’ killer whale reveals orcas can learn to mimic human speech(The Conversation)

Imitation of novel conspecific and human speech sounds in the killer whale (Orcinus orca)(The Royal Society)

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