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MRIの磁力に引き込まれインド男性が死亡

インド・ムンバイで衝撃的な医療事故が発生した。

国営ナイール病院を訪れていたラジェッシュ・マルさん(32)がMRI検査を控えた親族のために酸素ボンベを運んできたところ、MRIの電源がONだったために金属製のボンベが強力な磁場に引き込まれ、巻き添えになって死亡したという。

磁気と電波を利用して体の中の様子を精細な画像にするMRI(磁気共鳴断層撮影装置)内には巨大な超伝導電磁石が入っており、その磁束密度は通常1.0-1.5テスラほど、研究用のものだと7テスラもある。ちなみに棒磁石は0.25テスラ程度、ピップエレキバンは0.18テスラほどだ。

病院関係者がMRIの電源を切ってマルさんを救出し、10分後には同病院の救急治療室に運び込んだが、マルさんはすでに死亡していた。死因は酸素過多によるもので、抱えていた酸素ボンベがMRI装置に衝突して破損し、そこから酸素が漏れ出した可能性が高い。事件を受け、警察は担当医と2人の医療関係者を業務上過失の疑いで逮捕し、またマハーラーシュトラ州知事は遺族におよそ85万円の慰謝料を支払うと発表した。

事件の背景については遺族と病院側の見解が食い違っているようだ。病院側は酸素ボンベがあらかじめ患者の担架に設置されていたと主張しており、ボンベがMRIに猛スピードで引き込まれる際、線上にいたマルさんが巻き添えになったと説明している。

一方、遺族によれば、マルさんは妹の嫁ぎ先の母親の面倒をみるためにほかの親族ら3人とナイール病院に来ていた。義理の母は髄膜炎と肺炎を患っている恐れがあるためMRI検査を受ける必要があったという。その際、病院の見習い役の少年に酸素ボンベを持ってくるよう頼まれたためにマルさんは事故に巻き込まれたのだと主張している。

インドでは病院の人手不足が深刻で、親族などの一般人もしばしば手伝うよう要請されるという。2014年には、MRI検査室に酸素ボンベを持ち込んだ病院関係者2人が4時間にわたってMRI装置内に閉じ込められるという事件も起きている。

Indian man dies after being trapped in MRI machine (The Washington Post)

Mumbai: Patient’s relative sucked into MRI unit at Nair Hospital, dies (Times of India)

マグネットのはなし(産業技術総合研究所)

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