窃盗、飲尿、痴漢行為……異常な執着心のせいで人生を棒に振った奇妙な人々

常人には理解できない理由で罪を犯した者たち。しかし、犯人の語る本心に耳を傾けると、事件をまた違った目線で捉えることができるかもしれない。ここでは、異常なまでの“執着心”が原因で道を踏み外してしまった人々を紹介する。

2008年4月9日に逮捕されたビリー・ロバーツは、電車で女性の身体を触ったり、自らの身体をこすりつける“窃触症”で逮捕された。失恋をきっかけにポルノにのめり込むようになった彼は、とうとう女性を性の対象として見ることしかできなくなってしまい、電車内で男女が身体をこすり合わせている姿を見て窃触症に倒錯したという。ビリーいわく「2人は他人同士に見えた」とのことだが、もともと人とのコミュニケーションを苦手とする彼が誤解したのだろうと専門家は分析している。

それ以来、毎日のように電車で見知らぬ女性に身体をこすりつける行動を取るようになったビリー。性的サイクルが特定の形で条件づけられたことにより、他人に身体をこすりつけるとドーパミンが放出されるようになったため、中毒状態になってしまったのだ。

そんなビリーにはフィルという双子の兄弟がいるのだが、なんと彼は窃触行為をしていることをフィルに自慢していたという。最初は止めるよう忠告していたフィルも次第に窃触行為への興味が湧き、ビリーと同じく犯罪に手を染めてしまう。

約20年間で50回以上も逮捕されたビリーは、ついに2年以上の無期刑を受け、現在も服役中。フィルも窃触行為を止めに入った警官への暴行容疑で実刑判決を受け、のちに釈放されたが「再犯しない」と誓い、現在は田舎へ移住しているそうだ。これは単なる“痴漢”なのでは……?
と思わずツッコミたくなる話だが、痴漢行為を止められない人は実際この症状を患っているのかもしれない。

2人目は“天使像の窃盗癖”により、2013年5月9日に逮捕されたデブラ・ファリネラ。亡くなる直前の母親に「天使があなたを守ってくれる」と声をかけられたことがきっかけで、天使像を収集するようになった。時には友人宅に置いてある天使像を売ってほしいとせがんだこともあるという。

重病に伏せていた父を亡くしてからというもの、「なぜか癒される」という理由で友人と墓地を散策することが増えたデブラ。その際に墓地で見つけた天使像を持ち帰ったことを発端に、次々と人の墓から盗みを働くようになった。窃盗行為は次第にエスカレートし、合計5つの墓から天使像だけでなく献花や装飾品なども持ち帰ったという。

当然、盗難被害に遭った人物から報告が相次ぎ、デブラの家に警察が踏み入ることに。彼女は窃盗の罪で逮捕され、不抗争の答弁をし半年服役。出所した現在でも天使像を集め続けているが、墓地には近づかない生活を送っている。痴漢兄弟に比べればまさに天使のような行為だが、モノへの執着よりも盗む行為自体に快感を覚えてしまうのが窃盗癖の怖いところだ。

最後に紹介するのは、公共のトイレに“尿を集める仕掛け”を作って逮捕されたロバート・ウェルズだ。一体なんのために他人の尿を!?
と顔をしかめられそうだが、なんと彼は“飲尿癖”の持ち主だった。

「幼いころ友人がふざけてフライパンに放尿したのをこっそり味見して以来クセになってしまった」と振り返るウェルズ。その妙な嗜癖も高校~大学時代には治まったそうだが、社会に出ると人間関係に悩むようになり、いつしか尿を飲んだ時の「力の湧く感覚」を懐かしく思うようになっていく。

また、不安障害によって異常なまでの“老いへの恐怖”を抱くようになり、若者の尿には精力や活力の元となる成分が含まれている、つまり“不老不死”の効果があると思い込んでしまう。やがて、多くの人が訪れる公衆トイレに細工をして尿を採集するようになるが、あまりに熱中しすぎて仕事はクビになってしまった。

それでもウェルズの欲求は止まらず、新しい仕掛けを取り付けた簡易トイレを遊園地に設置。トイレの裏に潜んでホースを咥えていれば、子どもたちのフレッシュな尿がダイレクトに届くという設計だ。しかし、このトイレを不審に思った保護者に発見されて即刻逮捕。相手が男児だったため未成年に対する性犯罪に問われ、5年の実刑を受けることになった。

ウェルズは50歳手前で出所するが、前科者には仕事を見つけることも難しい。またしても老化への恐怖と孤独に苛まれた彼は再び公衆トイレに細工するようになり、その後は器物損壊などの罪で20回近く逮捕される。しかし2008年、彼が暮らすオハイオ州で「本人の許可なく体液を集めることを違法とする」という新たな州法が制定された。もちろん、この飲尿癖を持つ中年男性の“しつこいオシッコ集め”を取り締まるためだ。

その後も逮捕され続けたロバートはついに足に発信機を付けられ、現在も24時間行動を監視される生活を送っている。自身の過去については黒歴史と自認しているようだが、他人の尿を集めまくるほど恐れていた“老化”をただ噛みしめるかのように自宅に引きこもる彼の姿は、あまりにも強烈な皮肉ではないだろうか。 

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