Credit : Pixabay

オンドリは自分の鳴き声で難聴にならないように耳栓をしている

オンドリの「コケコッコー!」は、うるさければうるさいほどメンドリにモテるという。ほかのオンドリとの競争に打ち勝って子孫を残すためには、競争相手より一層けたたましい声で鳴く必要があるのだが、うるさくなりすぎるあまりにひとつだけ問題が出てくる。それは、鳴き声を張り上げているオンドリ自身の耳に障害を来さないかだ。

耳の中では有毛細胞が音を感じとる役割を果たしているが、120デシベル以上の音圧ではこれらの細胞がダメージを受けてしまうという。一度傷ついた有毛細胞は再生しないため、大きな音を聞き続けるとやがて難聴につながる恐れがある。

それでは、なぜ生涯にわたって自身のけたたましい鳴き声に直面せざるを得ないオンドリが難聴にならないのか?この問題を解明するため研究に乗り出したベルギーのアントワープ大学とゲント大学の科学者たちは、驚くべき事実をつきとめた。なんと、オンドリが声を張り上げて鳴くときは、自身の耳管が内側からふさがって耳栓をするというのだ。

実験データを得るために、研究者たちはまず協力的なオンドリ3羽の耳元に小型マイクをとりつけ、オンドリの耳が聞き取っている自身の鳴き声の音圧レベルを計った。同時にオンドリから一定の距離を置いたところにもマイクを設置し、距離による音圧の変化を計った。最後に、オンドリとメンドリ両方のマイクロCTスキャンを撮って、オンドリの鳴き声が耳管内でどのように反響しているのかを調べた。

計測の結果、すべてのオンドリの鳴き声が100デシベルを超えていることが判明。最高で142.3デシベルをマークした。これはジェットエンジンの近くにいるのと同じぐらいの爆音だそうだ。

さらに、オンドリが鳴くためにくちばしを開いた瞬間、オンドリ自身の耳管内部が収縮して内側から耳栓状態になり、同時に鼓膜の半分をやわらかな細胞が覆い隠すという驚きの生理学的機能を確認したという。

メンドリにもこの機能があることもわかったが、メンドリの場合は耳管の収縮は部分的で、完全にはふさがれないそうだ。オンドリの美声を聞いているようで、じつは聞いていなかったというところだろうか。

Do high sound pressure levels of crowing in roosters necessitate passive mechanisms for protection against self-vocalization? (Zoology)

Why roosters don’t go deaf from their crowing (Mother Nature Network)

RELATED POST