Credit : Danielle Dufault / Royal Ontario Museum

「頭」はどのように進化したか…新種の古代生物発見により解明進む

カナダ西部のカナディアン・ロッキー山脈で、新種の古代生物の化石が発見されたそうだ。およそ5億年前に生きていたときは画像のような姿だったらしいが、生きていたときに遭遇しなくてよかったかも…と思ってしまう外見だ。

しかし体長はわずか2.5㎝ほどしかない。これは新種の環形動物で、現代のミミズやヒルのご先祖様だと考えられている。ミミズとは違って海の底に暮らし、カンブリア紀に栄えたとみられる。その証拠に、クーテネイ国立公園内の発掘現場からは同種類の化石がこれまでに500個以上も見つかっているそうだ。

バージェス頁岩(けつがん)と呼ばれるシェール岩が山肌から露わになっている地帯で発掘されたそうだが、特筆すべきはその保存状態の良さと、通常なら化石化しないやわらかい体もくっきりと石に刻まれていたことだ。バージェス頁岩ではいままでにも良質な化石が大量に発見されており、まるで自然が提供してくれる「タイムカプセル」のよう。もし幸運なめぐり合わせにより希少な化石が知見のある学者の前に現れたとしたら、いままでの進化の過程や種の分類をくつがえすような大発見につながるかもしれない。

今回発見された新種の環形動物は、まさにそのような大発見だった。クーテネイ国立公園にちなんでつけられた名前は「Kootenayscolex barbarensis」。Kootenayscolexの発見により、いくつかの驚くべき事実が解明されつつある。

まずはKootenayscolexの想像図をよく観察してほしい。体の全体にかけてタワシのような毛が束になって左右対称に生えているのがわかる。さらに、同じ毛が口のまわりにも生えているのが初めて確認された。研究をリードしたトロント大学のKarma Nanglu氏によれば、これは環形動物の進化において、体節が頭に変化したことを示す重要な証拠だという。

さらに、Kootenayscolexの化石の保存状態が格別によかったため、内蔵の中身からこの古代生物の暮らしぶりまでが垣間見えたそうだ。それによると、現代のミミズと同じように土を消化して有機物を作り出す大事な働きをしていたことがわかった。

たかがミミズ、されどミミズ。Kootenayscolexから脈々と受け継がれてきたその体や生態は、人間よりもはるかに古い歴史をもつ。

A new species of worm wriggles into evolutionary history (University of Toronto)

Kicking an Old Can of Worms – the Origin of the Head in Annelids (Royal Ontario Museum)

The life cycle of a new fossil: Meet the ancient cousin of the earthworm (Royal Ontario Museum)

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