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道具を作る唯一の動物、カレドニアガラス

道具を作ることで効率よく餌をとるカレドニアガラス。そこからは人類にも繋がる「技術の進化」の歴史が紐解けるかもしれない。

カレドニアガラスは人間以外で唯一道具を作ることのできる動物。枝などの素材を加工して、フック状の道具を自らつくり、餌となる虫を狭い場所から引きずり出して食べる事で有名だ。しかし、これまで道具を作ることが一体どれだけ実際に役に立っているのかは謎だった。その謎を解明しようとした研究がNature Ecology and Evolutionで発表されている。

研究では様々な素材と餌で実験が行われたが、どの素材と餌の場合でも、未加工のまま餌をとろうとしたときよりも、フック状に加工してから餌をとった方が何倍も早いことが判明した。例えば未加工の枝を使って餌をとろうとした場合と比較して、道具を作った場合の方が10倍速く餌をとることができたのだ。このことから、このような道具を作ることはエネルギー摂取の効率向上に大きく関わることから、これがこのような「技術」を進化させるための原動力となったのでは、としている。

しかしこのカレドニアガラスも最初から道具を使うカラスだったわけではない。そしてそれは人間も同じことだ。人間の作った最古の釣り針は沖縄で発見された約2万3000年前のもので、貝殻を削って作られたものだった。研究を率いたChristian Rutz教授がBBC Newsに語ったところによれば、人間が道具を作る技術は今からたったの1000世代前という「進化の面で言えば一瞬」の間にでてきたものだという。そんな人間が今ではコンピューターやらスペースシャトルやらを作っているわけだ。

効率よく餌をとるために道具を作るカラスたちを研究することで、もしかしたら人類の技術の進化の歴史も紐解いて行くことができるのかもしれない。それと同時にRutz教授はカレドニアガラスたちの道具の使用はフックを生み出しただけで終わるとは考えていないそうだ。もしかしたらカレドニアガラスたちも1000世代の後には人間が驚くような木造建築とか、虫農場などを作っていたりするのかも。将来の地球は『猿の惑星』ならぬ「カラスの惑星」になっているのかもしれない。

New Caledonian crows show how technology evolves(BBC)

Hook innovation boosts foraging efficiency in tool-using crows(Nature Ecology and Evolution)

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