SNSで仲良くなったママ友、実は殺人鬼だった!?

2006年、アメリカ・ミズーリ州で母親と2人で暮らす17歳の女子高校生・アマンダは予定外の妊娠が発覚し、心境的にも経済的にも非常に厳しい状況に置かれていた。お腹の子の父親である彼氏はまだ遊びたい盛りで、彼女の出産に猛反対。しかもケンカ相手に瀕死の重傷を負わせた罪で逮捕され、2人の関係は終焉を迎える。そんなゴタゴタの中でアマンダも単位を落として高校を中退し、恋人も友人も失うことになってしまった。

シングルマザーとして新しい命を迎える決意を固め、SNSを通じて不要なベビー用品を譲ってくれる人を募ったアマンダ。すると幸運にも、現在9か月の子を持つ21歳のアシュリーという女性から「近々に控えた引越し前に処分しようとしていたベビー服や玩具などを譲る」という申し出を受けた。

出産予定日の2日前、自宅でひとり出産準備をしていたアマンダのもとにアシュリーから連絡が入り、2人はアマンダの自宅近くのガソリンスタンドで落ち合うことに。しかし、実際アシュリーに会ってみると、SNSで公開していたスリムで美人なプロフィール写真とは別人のような恰幅で、傍らには友人のアリサという女性を引き連れていた。しかも肝心のベビー用品は持参しておらず、ここから100kmほど離れた彼女の自宅に取りにこないかと言うのだ。

さすがに違和感を覚えたアマンダだったが、帰りも送ってくれるということで、促されるままアシュリーの車に乗り込んでしまう。はじめは和気あいあいと会話していたものの、アシュリーとアリサは何やら携帯電話を使ってコソコソと筆談のようなやりとりをしているらしい。車内に漂い始めた微妙な空気に危機感を覚え、アマンダが母親へ連絡を取ろうと携帯電話を手にしたその瞬間、彼女の顔面に催涙スプレーが襲いかかった!

携帯電話を奪われ、人気のないモーテルへと連れ込まれたアマンダは、そこで衝撃的な光景を目にする。ベッドに敷かれたビニールシート、ロープや粘着テープ、銀色に光る何らかの細長い器具……まるで手術でも行われるかのような室内の様子は、これから自分の身に降りかからんとする最悪の事態を想像するのには十分すぎるものだった。

さるぐつわをされてベッドに手を縛りつけられたアマンダに、殴る蹴るの暴行を加えるアシュリー。あまりに凄惨な状況に共犯者のアリサは吐き気をもよおしたようで、「私には無理よ」と言い残して部屋を出ていった。アマンダはトイレの窓からの脱出を思いつき、手を縛ることを条件に2分間だけトイレに入る許しを得たが、そこに窓や通気口などはなく、外部に助けを求めることも不可能だった。

いよいよ死を覚悟したその時、モーテルのドアをノックする音が。そして続く「開けなさい、警察だ」の声……!
実は、犯行に怖気づき逃げ出したアリサが警察に匿名で通報していたのだ。絶体絶命かと思われたアマンダは、現場に踏み込んだ警察官によって救出され病院へ直行。2日後に無事、元気な男の子を出産した。

現行犯逮捕された女の名はローレン・ガッシュ。アシュリーという偽名を使ってネットで物色した“獲物”、つまり妊婦のお腹を切り裂き子供を奪おうとしていたという。なんとも恐ろしい話だが、周囲に手の込んだ作り話をでっち上げて妊娠を偽装した女が、ウソのつじつまを合わせるために企てた身勝手かつ短絡的、そして狂気に満ちた犯行計画だった。

事件から2年後、ローレン・ガッシュには暴行と誘拐で懲役8年の実刑判決が、共犯者のアリサについては「命の恩人だ」と感謝するアマンダの減刑要求に基づき、執行猶予付きの判決が下された。

利便性と危険性/善意と悪意が混在するSNSの世界では、犯罪に巻き込まれない保証など誰にもない。素性の分からない相手と安易に連絡を取ったり、ましてや直接会うことのリスクは言わずもがなだ。他人への共感を訴えてくる“友達”の正体が、恐ろしい“悪魔”かもしれないということを、我々は常に意識しておかねばならないのである。 

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