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英スーパーマーケットで働く「Pepper」くん、1週間でクビに

ロボットが人の日常生活に役立つ状況は多く考えられるが、実際にロボットが人を手伝い、人の代わりに働く未来はまだまだ先かもしれない。なぜなら、イギリスではPepperくんが一週間で仕事をクビになってしまったのだから。

BBCによるロボットを題材にした番組『Six Robots & US』。これはイギリスの6つの家庭で使用される6台のロボットと、それによって生じる様々な利害や悲喜こもごもを映し出したドキュメンタリー番組だ。医療ケアや接客、ダイエットなど、自閉症の助けとなるものなど、様々にロボットが使われる様子が描かれているが、その一つのエピソードには日本でのおなじみ、ソフトバンクの「Pepper」くんが登場する。Pepperくんは家族経営のスーパーマーケットで接客用ロボットとして使用されたのだが…

店側の思惑としては、客に商品の場所を聞かれるなどした際に、ロボットが客に答えて商品のある場所まで連れて行ってくれれば業務が助かるだろう、というものがあった。その一方で店員側からは将来仕事を奪われるのではという不安も見られた。当初は来客者に挨拶したり、ハイタッチしたりするなど人気もあり、店員に「Fabio」と名付けられ親しまれていたようだ。しかし店内の環境音がうるさくて客の質問が聞き取れなかったり、「ビールはどこか/チーズはどこか」と尋ねられた際に、「ビールはアルコールの棚です/チーズは冷蔵庫のところです」などとあまり役に立たない回答をするのみ。

そこで代わりにシンプルな食べ物の試食コーナーで客に声をかける仕事を任せるが、人間の店員が15分で12人の客に試食してもらえたのに対し、Fabioはたったの2人しか試食してもらえなかった。どうやら客は人間の店員と比較してロボットの店員を無視することは簡単なようで、そのままFabioを無視して通り過ぎてしまう。そしてFabioは人の顔を認識しないと何も言わず待っているだけで、声をかけない。ここでは客の移動速度に対しFabioが人を認識するのにかかる時間が長すぎることも原因だったようだ。

結局、店側が期待したような働きはしてくれず、コミュニケーションもそこまで上手くなく、お客さんにも避けられることとなったFabioはクビになってしまう。しかしFabioがクビを宣告されると、「怒っていますか?」と的確な受け答えをして店のオーナーを驚かせた。店員としてダメダメなFabioだったが、一緒に働く同僚は愛着を感じていたようだった。

Fabioの例からは、音声認識や顔認識がスムーズにできていない現状、商品の場所を案内する、試食品を紹介するなどの人間にとって繰り返しが多く単純な仕事も、未だ難しいということが見て取れるだろう。なお、番組にはもう一台のPepperくんの「フィットボット」というダイエットに特化したものも登場する。運動を指示したり、料理のレシピを教えたりするものだった。こちらは最初のうちは家族皆で運動させる機会を与えてくれたものの、結局家族はPepperなしでもやっていけることに気づき、Pepperは家族の元を去った。番組で紹介されるロボットの多くはまだまだ発展の余地があるものがほとんどだが、自閉症の子供のための「Kaspar」というロボットは子供の生活にポジティブな影響を見せ、番組終了後にも家族とともに生活しているという。

Fabio the robot sacked from supermarket after alarming customers (The Telegraph)

Six Robots & US(BBC)

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