すべては動物たちと飼い主の幸せのために……「外科侍」が奮闘する命の現場から

確固たる技術と独自の哲学のもと、過去20年間に世界で180,000件にのぼる手術を手掛けてきた獣医師ジェフ・ヤング。彼が院長を務めるコロラド州・デンバーの動物病院には、良心的な金額で提供される質の高い医療サービスを求めて、多種多様なペットとそのオーナーが日々絶え間なく来院する。そこで繰り広げられる医師たちの奮闘を追ったドキュメンタリー番組が「デンバー動物クリニック」だ。

ラブラドール・レトリーバーのチャーリーは、革製のツールベルトを誤飲してしまった。ベルトの金属パーツが胃酸で溶かされれば臓器に蓄積されて体を蝕むことになるが、すでに軽度の中毒症状が出ており早急な除去が必要だ。しかしチャーリーは以前にも誤飲事故を起こしており、他院で手術をした際に請求された2800ドルで貯金を使い果たしてしまったという飼い主は「今回も同規模の治療費が必要ならば安楽死させるしかない」と思い詰めた表情。そこでジェフは手術費用として600ドルを提示し、安堵の涙を浮かべる飼い主と固い握手を交わした。ところがいざ開腹してみると、パンパンに膨れ上がった臓器からは予想以上の異物が……。

一方、急患として運び込まれた小型犬のルーシーは妊婦で、陣痛開始からかなりの時間が経過しても子犬が産まれてくる気配がないという。胎児が非常に大きいため産道を通ることができないらしく、一刻も早く帝王切開手術を行わなければならない状態だが、すでに胎児は息絶えている可能性も伺える。果たして、差し迫る生命の危機から母子ともに無事に救い出すことができるのだろうか。

8万人以上もの顧客を抱えるジェフの動物病院では、こうした様々なケースの診察および外科手術、ワクチン接種、去勢・避妊手術などの対応に多忙を極める一方、ホームレスのシェルターへ出向いての移動クリニックといった無償での活動にも積極的だ。それは、彼が獣医師としての道を歩み出した時から一貫して掲げている「世界中の望まれない犬や猫の頭数を減らす」という目標に基づくもの。安全かつ短時間で済む不妊去勢手術の普及こそがその目標を達成すると確信している彼は、意識改革と獣医師の技術育成に取り組むべく世界規模で活動を行っている。

ちなみに、ジェフの上腕には“外科侍”という漢字のタトゥーが入っているが、彼の人柄や信念、行動を知るほど、それが彼の生き方を完璧に示した象徴のように思えてくる。どんなに厳しい状況であっても最善を尽くし、動物たちの生と死に向き合う“異国のサムライ”たちの姿から学ぶものは多いはずだ。 

「デンバー動物クリニック S4 カルテ1」はアニマルプラネットにてご視聴頂けます。アニマルプラネットを未視聴の方は、こちらからご確認ください。

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