かわいいニモも毒と仲良し! 自然界の驚愕サバイバル術

過酷な弱肉強食の世界を生き抜く手段として“毒”を選んだ生き物たちがいる。一言に毒といっても、その種類や使い方は実にバラエティー豊か。ドキュメンタリー番組「大自然ドキュメント
生きる:殺傷力」では、毒をめぐる多種多様なサバイバル術を紹介している。

毒を持った生物として有名なサソリ。彼らの体は小さく、ハサミによる攻撃力もさほど大きいとはいえないが、尻尾に蓄えられている神経毒は必殺の武器だ。あらゆるサソリの中で最も強力な毒を持つというオブトサソリと、巨大なハサミ型の鋏角を持ったヒヨケムシとの対決は、まさに生死を懸けた注目の一戦である。

インドネシアのコモド島に住むコモドオオトカゲ、通称コモドドラゴンは世界最大のトカゲだが、実は噛む力は猫よりも弱い。しかし、噛みつかれた際にかすり傷でも負えば、牙から流し込まれる恐ろしい毒によって血が止まらなくなり、徐々に衰弱して死に至るという。図体の割に奇襲を得意とするため、足はそれほど速くないが油断は禁物だ。

1匹1匹は小さいが、大群で毒を使い相手を屈服させる生き物もいる。アマゾンに生息する軍隊アリは、100万匹以上で暮らすコロニーを作ることもあり、多い日には捕獲した昆虫を3万匹以上も住みかに運び込む。ときにはヒグマでさえも追い払ってしまうという、小さくも恐るべき戦士たちだ。

大きな目とスローモーな動きが可愛いスローロリスも、実は世界で唯一の毒を持つ霊長類。

アナフィラキシーショックを起こさせる毒を使うことができるが、噛みつかれたりしなければ特に害はないという。ちなみにこの毒は、獲物として捕食している昆虫から作り出しているそうだ。

「ヘビを食べるもの」という同族殺しの学名を持つキングコブラも、強力な毒を持つ生物としては有名だろう。おびただしい量の毒を相手に流し込むことで、ゾウさえも一撃で殺すことができる。さらにキングコブラは視力・嗅覚も優秀で隙がなく、まさに“キング”の名前を冠するのにふさわしい生物と言える。

アニメ『ファインディング・ニモ』でもおなじみのクマノミがイソギンチャクと戯れる姿は心和む光景だが、実はこれも“毒絡み”の関係性。イソギンチャクの触手には毒があるが、クマノミにはその耐性があるため中を自由に動き回ることができる。つまりクマノミは、イソギンチャクに守ってもらう代わりに体を掃除をするというギブアンドテイクが成り立っているのだ。

他にもさまざまな毒を使った生き物が紹介されるが、当然ながら共通しているのは生きるために毒を選んだということ。かつての人間たちも獲物を効率的に捕らえる手段として毒を使用していたが、自然界においては純粋な“生存手段”でしかない。そして、人間たちが策略や陰謀の道具として次第に進化・発展させていった毒は今、農薬や洗剤に形を変えて我々の生活に潜んでいる。 

「大自然ドキュメント 生きる」はアニマルプラネットにてご視聴頂けます。アニマルプラネットを未視聴の方は、こちらからご確認ください。