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NZで絶滅した巨大なコウモリの化石を発見

新たに発見された巨大なコウモリは、ニュージーランドの失われた多様性を示す興味深いものだった。

これを発見した研究者Jenny Worthyの名を取って「Vulcanops jennyworthyae」と名付けられたこのコウモリ。推定体重は40gとそう重くは無いものの、現存の平均的なコウモリの約3倍も大きいと見られる。

Scientific Reportsに発表された研究によれば、このコウモリは系統発生学的な分析ではニュージーランドやオーストラリアのツギホコウモリ(mystacinids、トップ画像の画がそれだ)と同じ分類群に入る。ツギホコウモリは現在はニュージーランドにしか生息しないが、昔はオーストラリアにも住んでおり、飛ぶのはもちろんのこと、四足歩行もできるコウモリだ。

Vulcanops jennyworthyaeの臼歯の一部がより大きく発達していることからすれば、雑食性ではあるものの昆虫類を食べることが主なツギホコウモリと比べ、より植物や小さな野菜なども食べられたようであり、この事から、ツギホコウモリとは食を変えていくことで適応放散したのではと考えられている。そして、下顎の歯の配列はアフリカ固有の「吸盤コウモリ」(myzopodids、手首足首に小さな吸盤が付いている)に似ている。

研究の主筆であるニューサウスウェールズ大学のSue Hand教授によれば、ツギホコウモリは他の南西太平洋に住むコウモリよりも、南アメリカのコウモリに近いのだという。これらはチスイコウモリ、ピータークチビルコウモリなどと共に、オーストラリア、ニュージーランド、南アメリカや、南極大陸にまで生息していた可能性のあるコウモリの上科(Noctilionoidea)に属する。これらの地域は遠い昔ゴンドワナ大陸として繋がっており、ニュージーランドを含むジーランディアは、オーストラリアと南極大陸部分から1億3000万年前に分裂した。

今回の発見は大昔のニュージーランドには現在よりも豊かな多様性があったことを示すものだ。その後、中新世(2300万年から500万年ほど昔)のはじめの方にニュージーランドでは気候が急変し、寒く乾燥した環境へと変化した。これにより絶滅した種は多くあり、そのうちの一つがVulcanops jennyworthyaeだった。

なお、現在ニュージーランドの原生陸生哺乳動物相に含まれるコウモリの種は3種類であり、ニュージーランドの動物相に新たなコウモリの属が加えられるのは150年以上ぶりである。

Giant, ancient bat discovered in New Zealand could walk on all fours(ZME Science)
A new, large-bodied omnivorous bat (Noctilionoidea: Mystacinidae) reveals lost morphological and ecological diversity since the Miocene in New Zealand(Scientific Reports)

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