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エビやカニを生きたまま調理するのは違法に…スイスで2018年3月より発令

スイスでは、イセエビ、ロブスター、カニ、ザリガニなどの甲殻類を調理するには人道的な配慮が必要となるそうだ。2018年3月以降、ロブスターなどを生きたまま蒸したり、ゆでたり、焼いたりするのは法律違反になるのだそうだ。

甲殻類には原始的な神経系統しか備わっていないため、痛みを感じないとされてきた。しかし近年では科学的な検証が重ねられ、ロブスターもロブスターなりに苦しさや痛みを感じているとの見解が優勢になってきている。

たとえば2013年にイギリスのクイーンズ大学ベルファストで行われたカニの実験はこうだ。Bob Elwood教授率いる研究チームは、まず水槽に隠れ家をふたつ設置し、水槽中に90匹のカニを放流した。カニたちがすべて隠れ家に納まったところで、片方の隠れ家だけに電気を通した。いったんカニたちを回収してから2度目に水槽に放すと、ほとんどが以前選んだ隠れ家に戻っていったそうだ。そこで、今度は片方の隠れ家に電流を流してカニたちに電気ショックを与えた。またカニを回収して3度目に水槽に放した結果、カニたちは電気を通された隠れ家には近寄らずに安全なほうに集まったという。

電気ショックをさける行動をとったカニたちは、人間が感じる痛みや苦しみとは違うものであれ、やはり好ましくない何かを感じ取っていたと考えられる。このため、スイス政府は食用に水揚げされる甲殻類すべてにおいて、痛みを軽減する法的配慮が必要と判断した。今後は生きたまま熱湯にほうり込む前に、まず脳に電気ショックを与えて麻痺させるか、なんらかの「物理的な」方法で脳の機能を停止させた後のみ調理が許されるようになる。

調理法以外にも、甲殻類を海から食卓に運ぶまでの流通ルートに新しい規制がかけられるそうだ。新しい法律は生の甲殻類を氷詰めにして運ぶことを禁止し、「海水生物はつねに自生していた環境内に置かれること」を求めている。

Elwood教授によれば、この法の適用はとりわけ工場での適用が難しくなるそうだ。人道的な扱いを受けたか否かを商品に明示されるべきだとも話している。

スイスは動物愛護がもっとも進んだ国のひとつで、野生動物・家畜に関わらず、動物の身体的、精神的な健康を守る法律がたくさんある。なかにはモルモットやオウムなどの社会的な動物の一頭飼いを禁じるという、ものすごく手厚い法律もあるそうだ。

It will be illegal to boil lobsters alive in Switzerland (ZME Science)

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