アヒル型ロボット、小児がん患者へのケアで活躍

医療保険大手のアメリカンファミリー生命保険会社(本社:ジョージア州コロンバス)は、同社が力を入れている小児がん支援運動の一環として「My Special Aflac Duck(わたしのアフラック・ダック)」を発表した。

最新のロボット工学とアフラックのアヒルとを融合させてコンパニオンロボットを開発し、2018年冬から小児がん患者を対象に無償で提供する計画だ。

アメリカがん協会によると、2017年に小児がんと新たに診断された0~14歳児は10,270人。1~14歳児の死亡原因としては交通事故に次いで2番目に多いという。小児がんの生存率はがんの種類によっても大きく異なるものの概ね80%といわれており、また医療技術の発展により50年前に比べて死亡率が3割も減っているそうだ。

死亡率が下がったとはいえ、がんを克服する道のりが長く苦しいことに変わりはない。小児がんの治療にかかる平均日数は1000日だそうで、その間家庭や学校から、そして友だちや娯楽からも隔離されてしまう闘病生活は子どもたちにとって想像以上に辛いものだろう。

「My Special Aflac Duck」プロジェクトを展開するアフラック財団によれば、小児がん患者の心のケアはがん治療そのものと同じぐらいに重要だそうだ。患者本人やその家族の病気に対する態度や意識が、治癒能力を大きく左右するからだという。しかし、このような心のケアは残念ながら医療保険対象外だ。

そこで、アフラックは治療用アニマトロニクス開発に実績のあるSproutel社と提携し、アトランタの小児がん専門病院にて18カ月に及ぶ実地調査を行った。患者と触れ合う中で、どのような機能が子どもたちの心に響くかを綿密に検証した結果、可愛らしいアヒルのロボットを作りあげたという。

「My Special Aflac Duck」は主に3~9歳向けに開発され、いままでの玩具ロボットを超えた数々の特化した機能を持つ。フワモコな体をやさしくなでてやると甘えるようなしぐさをしたり、鳴き声で感情表現をするのはもちろんのこと、子どもと同じぐらいの速さで打つ心拍音が搭載されているのでリラックス効果をもたらすそうだ。音楽を聞かせれば踊りだしたり、まわりにいる仲間のアヒルロボを認知して互いに鳴き合ったり「会話」したりするので、アヒルロボの持ち主たちも巻き込んで社会的なやりとりに積極性をもたらすそうだ。

そのほかにも「お医者さんごっこ」、「お食事タイム」、「おふろタイム」といったごっこ遊びモードを搭載しており、マネすることで学ぶ子どもたちの本能を巧みにとらえている。

さらに、辛い闘病生活のなかで一番重要なのは、自分の感情をストレートに表現してストレスを溜めないことだという。そのために用意された「うれしい」、「おもしろい」、「こわい」、「きもちわるい」、「いらいらする」、「おだやか」、「かなしい」の絵文字ボタンをアヒルロボの胸部に当てると、アヒルが変わってそれらの感情を表現してくれるそうだ。自分で自分の気持ちをうまく表現できないときにアヒルロボに代弁させて、少しでもストレスの軽減につながればと開発者は話している。

Caring Smart Companion for Children with Cancer Wins 2018 CES ‘Tech for a Better World’ Award (Aflac)
The Aflac Childhood Cancer Campaign
Cancer Facts & Figures 2017 (American Cancer Society)