背が高すぎると宇宙飛行士にはなれない?金井さんの身長増減にちなむ宇宙のエトセトラ

現在国際宇宙ステーションに滞在中の我らが日本人宇宙飛行士、金井宣茂さんから届いた「重大な報告」に全世界から熱い注目が集まっている。

金井さんのツイートいわく、「宇宙に着いてから身長が9センチも伸びていた」そうで、「たった3週間でニョキニョキと」こんなにも伸びたのは「中高生のとき以来」だとのこと。

宇宙空間では地球の重力が働かないため、背骨の間の軟骨が拡大して身長が伸びるそうだ。個人差はあるものの通常は2~5センチ程度の伸びだという。金井さんが報告した3週間で9センチという驚異的な伸びは、人間の成長がもっとも著しい1~3歳児が1年間で伸びるのと同じぐらい。中高生の時はせいぜい年間5~6センチ程度なので、思春期にも勝る驚異的な伸びだったのだが…。

その後、じつは計測ミスだったことが金井さん自らによって明かされた。

その後のツイートによれば、9センチ騒動勃発後に船長を務めるシュカプレロフ飛行士が「9cmはいくらなんでも伸びすぎでは?」と疑問を投げかけたそうだ。そこで金井さん自身が再計測してみたところ、9センチではなく「地上より+2cm」という結果となった。この訂正はまたしても世界に知れわたり、金井飛行士はニュースの拡散の速さに恐縮した様子でその後「計測ミス(?)なのに、大変な話題になってしまったみたいで、とんだフェイクニュースを大変失礼しました」とお詫びの一文をツイートしている。

どのような「計測ミス」だったのかは明らかにされていない。

金井さんの身長の増減には国内外のメディアが注目し、やや冷ややかな報道(英BBC)から、「宇宙ではなにか起こってもおかしくないから」と穏やかに見守る記事(米Washington Post)まで、反応も様々だった。

ちなみに、せっかく2センチ身長が伸びた金井さんだが、地球に帰還後は元通りに縮んでしまうそうだ。

ところで金井さんは再三のツイートでソユーズ宇宙船に乗れるかどうかをしきりに気にしていたが、これにはわけがある。ソユーズに乗らなければ国際宇宙ステーションから地球に帰還できないのだが、ソユーズには身長制限が設けられていて、190センチでアウトらしいのだ。金井さんのもともとの身長は公開されていないようだが、宇宙飛行士のなかでは背が高いほうのよう(上記の写真は前ミッションのクルーメンバー)。仮に190センチを超えるとソユーズで地球に着陸した時の衝撃で頭などを船体に打ちつけてしまう危険性が高まるそうだ。

金井さんの今回のミッションテーマ「健康長寿のヒントは宇宙にある。」のもと、身長の増減以外にも宇宙空間が人体にもたらす影響を研究するそうだ。JAXAによれば、宇宙に長期滞在すると身長が伸びるほかにも視力が落ちたり、骨密度が減ってしまうという。詳しくはJAXAのミッションサイトをご覧になってほしい。

金井宣茂宇宙飛行士ツイッターアカウント
金井飛行士 宇宙で「身長9センチ伸びた」 滞在3週間で(毎日新聞)身長の伸び、実は2センチでした 金井さん(日本経済新聞)
Japanese astronaut sorry for 9cm ISS growth mistake (BBC)
This astronaut has grown 3½ inches in space. Weird thing is, that’s not even that weird. (The Washington Post)