Credit : Plum Pictures Ltd.

地味だけどスゴい! 知的欲求を刺激する「組立おじさん」

玩具やボールペン、目覚まし時計にTVのリモコン……子どもの頃、身の回りのモノを分解してみたものの元の状態に戻せなくなり、親に叱られた経験はないだろうか。あるいは我が子がまさに今、そうした状態でほとほと困り果てているなんて人もいるかもしれない。

だが、子どもたちを突き動かしているのは「その仕組みや構造はどうなっているのか」という強い関心と好奇心だ。理解できないものに対し「知りたい」「理解したい」と考えるのは人間の本能のひとつであり、ひいては分解行為も成長過程における正しい知的欲求の表れである。

1、2歳頃では限りなく“破壊”に近かった行動も、小学生になるとモノによっては分解後に再び元の状態に組み立てることができるようになってくる。その後、道を極めて自動車整備士や機械系エンジニアといった職に就くか、大人の趣味として嗜むようになるか、あるいはいつの間にか“分解癖”が抜けてしまうかはそれぞれだが、一度でもそうした時期を過ごした人ならば、誰しも心がザワつくであろう番組が『組立再生!リアセンブラー』だ。

同番組ではイギリスの人気テレビ司会者ジェイムズ・メイが、何百ものパーツにバラされた機械製品について、どの部品がどこに当てはまるか考えながら元通りの姿へと組み立て直していく様子に密着。今回は235におよぶパーツを組み合わせ、1960年代に販売されていたケンウッド社のフードミキサーを蘇らせるという。

無骨な作業場で淡々と繰り広げられる作業を追った映像に、いわゆるTV番組らしい華やかさは皆無。ジェイムスはユーモアを交えた軽妙な解説やうんちくを繰り広げるが、そこにも大げさな言い回しや派手なアクションなどはない。なんならBGMもほぼない。

白髪のおじさんがコンデンサやワッシャー、ギアなどの部品をいじりつつ、それらが果たす役割について説明したり、ケンウッド社の創設者であるケネス・ウッドにまつわる雑学を挟んだかと思えば、大嫌いなハンダ付けの下手さを自虐ネタにして、スタッフの小さな笑いを取る……。だが、その地味さこそが“組立”を魅せるのに非常に適した手法のようだ。過剰な演出の排除によって、じっくりと組み立てられていく部品と、それらが織り成す仕組み/構造の精巧さを際立たせている。やっていることは至極マニアックだが、番組全体に流れるユルい空気感とのギャップが、いつの間にかクセになってくるのだ。

前述の通り“分解の魅力”を知る人にとっては、知的好奇心をビンビンに刺激されるコンテンツであることは間違いない。だが、そうでない人、あるいは自分はそうでないと思い込んでいる人にとっても、封印されていた嗜好を解き放つ“パンドラの箱”になるかもしれない。

 「組立再生!リアセンブラー フードミキサー」はディスカバリーチャンネルにてご視聴頂けます。ディスカバリーチャンネルを未視聴の方は、こちらからご確認ください。

RELATED POST