Credit : PLOS Pathogens

世界最古のB型肝炎患者のミイラ…ウイルスの起源に迫れるか

イタリア、ナポリの教会で発見された450年前の少年のミイラ。このどこか愁いを帯びた表情の少年のミイラは、これまで上半身に深刻な発疹がみられたことから天然痘で死んだと思われていた。しかしこのミイラのDNAを調査したマックマスター大学とシドニー大学の研究によれば、じつはこの子供は天然痘には罹っていなかった。その代わりにB型肝炎に罹っていたことが判明した。

人に対し無視できない疾病率と死亡率をもつとされるB型肝炎ウイルスは、これほどまでに古いものは見つかったことが無く、今回の研究で非常に興味深い事実が判明した。

ひとつは、系統発生解析からすると、このB型肝炎ウイルスは、現代のB型肝炎ウイルスと似ているということ。それはあたかも現代のB型肝炎ウイルス感染者からとれるであろうサンプルと同じだった。そしてもうひとつは、B型肝炎ウイルスのDNAシークエンスのダメージパターンからすると、このミイラは死後にウイルスに感染したのでは無く、間違いなく16世紀のB型肝炎ウイルスだということだ。

この発見から導き出されるのは、B型肝炎ウイルスは過去450年の間に進化していないということ。今回のミイラから見つかったB型肝炎ウイルスが本当に当時のものであれば、ウイルスの遺伝子型が多様化したのは16世紀よりもずっと昔となる。つまり、現在のサンプルからウイルスの起源を見つけることは非常に困難であることを意味している。

さらに古い時代のB型肝炎感染者の遺体を見つけることができればウイルスの起源を見つけ出すことができるかもしれないが、現段階ではベールに包まれたままだ。

Medieval mummy shows people have been infected with hepatitis B at least for centuries(ZME Science)
The paradox of HBV evolution as revealed from a 16th century mummy(PLOS Pathogens)

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