Credit : Seven Star International Cultural Tourism Resort

中国で原寸大「タイタニック号」建設中…とある投資家の夢叶うか

100年以上も前に沈没した船に商機を見出した投資家がいる。中国は浙江省、麗水市に拠点を置く七星エネルギー投資グループの代表、蘇紹俊(スー・シャオジュン)氏だ。

20年前、彼がまだ麗水市の一職員だった時に、あのジェームズ・キャメロン監督映画『タイタニック』と出逢った。若き蘇氏の心を打ったのは、避難時にまず女性と子供を優先させた行動規範だったという。まだ外国映画の輸入が厳しく制限され、年間10本程度しか見られなかった当時、『タイタニック』から垣間見る欧米社会はなんときらびやかで尊厳に満ちていたことだろうか。

その15年後に起業した蘇氏は、中国がいまだかつて体験したことのない壮大なスケールのテーマパークを造ろうと思い立つ。ハリウッド映画のきらびやかさ、ディズニーランドの楽しさ、ユニバーサルスタジオの先進的な技術…それらすべてを兼ねそえた世界で唯一無二の観光地リゾートとは?……悩んだあげくに蘇氏がたどり着いたのが、1912年に沈んだタイタニック号を原寸大で再現しようという試みだった。

蘇氏率いる七星エネルギー投資グループが1700億円以上を投資して現在建設中の「ロマンティック地中海七星国際文化観光休暇村(英語名:Romandisea)」の目玉となるのは、全長約270m、横幅約28mの本物と同じ大きさの「沈まないタイタニック号」だ。

この「沈まないタイタニック号」、そもそも海に浮かんでいないので沈没の心配はなさそうだ。Romandiseaにはすでに四川省に6700㎢という広大な敷地(ちなみに東京ディズニーシーリゾートの面積は2㎢)が用意されている。内陸なので、もちろん海はない。そのかわりに、敷地を横切る川をせきとめて人工の湖を作り、その上に「沈まないタイタニック号」を浮かばせる予定らしい。その湖の底に沈みゆく村々もあるというから、なんとも皮肉だ。

「沈まないタイタニック号」は2017年8月に完成が予定されていたが、資金繰りが悪化し建設が遅れている。原寸大の豪華客船は「思ったより大きかった」というのが蘇氏の本音らしい。加えて、鉄鋼の値上がりや人手不足などが「沈まないタイタニック号」を別の意味で沈没させかけているようだ。

七星国際文化旅游度假区(Seven Star International Cultural Tourism Resort)
A Life-Size Replica Of The Titanic Is Under Construction In China’s Countryside (NPR)
Hit that iceberg: China group readies Titanic simulation (Reuters)
Foundation banking on the spirit of Titanic (China Daily) 

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