キリンと同じ場所にライオンが住むとどんな影響がでる?

ライオンと同じ環境に暮らすキリンの集団にどんな影響が出るのか、イギリスのブリストル大学が研究している。想像通り、キリンはライオンに食べられる。だがライオンがキリンの頭数全体にもたらす影響などはこれまで研究されたことが無かった。

ブリストル大学で博士課程を学ぶZoe Mullerによるこの研究では、キリンとライオンが同じ保護地域内に居る状況でこれを調べた。その結果、ライオンの存在によりキリンの子供の数が82%も減少する可能性が示唆された。これはケニアのソイサンブ地域の保護区と、ナクル湖国立公園で行われた調査比較に基づくもの。ソイサンブの方にはライオンが居ないのに対して、ナクル湖では100平方kmに30頭とライオン密度が高い。ソイサンブの方では、キリンの集団を構成する幼体が34%、亜成体が29%居るのに対し、ライオン密度の濃いナクル湖では幼体が5%、亜成体が15%しか居なかったのだ。

実際にライオンがキリンの子供を捕らえているところは観測できていないようだが、事例証拠としてライオンが若いキリンの死体を食べている様子は観察されている。また、雌の成体にライオンの爪痕がついているのも確認されており、これは子供を守ろうとしてついたものではないかと考えられる。Mullerはキリンの頭数を維持するためにも、なるべく子供のキリンが繁殖可能になる大人となるまで殺されないようにすることが大切で、野生の自然保護地域内でのキリン頭数の管理の速急な再評価が必要だとしている。

研究の次の段階は、今回のケニアのケーススタディー以外の、他のキリンの集団においてもライオンの存在が同様の影響を与えるかを研究することだ。キリンの数は過去30年間で40%減少しており、野生には9万8000頭以下しか生息していないとみられる。最近では国際自然保護連合IUCNのRed Listで「危急」の指定を受けている。

Study investigates impact of lions living alongside giraffe populations(University of Bristol)
Population structure of giraffes is affected by management in the Great Rift Valley, Kenya(PLOS One)