Credit : National Gallery of Art/UCLA

古い絵画に隠された歴史を探れ!スミソニアンと米大学の新技術

米国にある巨大な博物館の集まり、スミソニアン博物館。その中のナショナル・ギャラリーに納められているものの一つに、2000年ほど前の古代エジプトで見つかった絵がある。描かれている女性には大きな黒い目と、はっきりとした眉毛、整った鼻や口元が特徴的で、生前は高貴な女性だったと思わせる。

ミイラ化された遺体の生前の姿として描かれたこのような絵は、ナショナル・ギャラリーに1000枚ほど保管されており、どれも1~3世紀ごろに描かれたものだ。保管されているものはどれも状態が比較的良好だが、どのような画材が使われて描かれたのかなど、不明な点も数多く残っていた。

その謎を解くため、ナショナル・ギャラリーとカリフォルニア大学の科学者が集結。新技術である「マクロスケール・マルチモデル・ケミカル・イメージ」を使用した。この技術は、既存の3技術を統合させたもので、絵画の化学的な詳細を知ることが可能となる。これにより、絵画がどのように描かれたのか、その謎を解明することができるのだ。さらに、この技術では絵画に直接触れる必要がないため、調査時おける絵画へのダメージもない。

収集したデータを解析した結果、この絵を描いた人物は高い技術を持ち合わせており、様々な素材を使用した多彩な絵の具を作り出していたことがわかった。また、この絵を描く際に3つの道具が使われたことも判明した。それらは筆、彫刻刀、金属のスプーンだとしている。

専門家によると、どのように描かれたのかを知る必要があるのには、2つ理由があるという。一つは修復作業の際に参考となるということ。そして二つ目は、古代の人々がどのように芸術を生み出していたのか知ることができるということだとしている。

芸術品を傷つけることなく、その素材を解明できる最新技術。この技術を世界中の多くの芸術品に使用すれば、多くの驚きが待っているかもしれない。    

How 21st-Century Technology Is Shedding Light on a 2nd-Century Egyptian Painting (Smithsonian.com)    

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