NASAのお墨付き、室内の空気をキレイにしてくれる観葉植物10選+1

熱効率に優れた家では、屋外よりも室内の空気のほうが汚れていることをご存知だろうか?もちろん、屋外の空気がどのぐらい汚れているのかはお住まいの環境にもよるが、屋外では外気に紛れて汚染物質の濃度が消散する傾向にあるのに対し、気密性の高い家ではこもりがちだ。

加えて、家庭で使用するごくありふれた製品の中には揮発性有機化合物(VOC)といわれるベンゼン、トリクロロエチレン、ホルムアルデヒドなどの化学物質を含んでいるものも多く注意が必要だ。家で過ごす時間を快適で安全なものにするために、キレイな空気はとても大切なのではないだろうか。

室内空気汚染は家庭や職場に限らない。じつは、密室状態で過ごすスペースステーションや、ゆくゆくは月面基地や火星へのミッションにおいても人命に関わる切実な問題だ。NASAは1980年代からすでにこの問題に着手していて、室内空気の向上に有効な手段をふたつ発表している。

ひとつは、VOCをふくむペンキ、建築素材、生活用品などを持ち込まないこと。または、あらかじめ排ガスを出しきってから室内に設置すること。

Courtesy of tsukuribaGREEN – Credit: C. Yamada

もうひとつは、観葉植物を置くことだ。

NASAの研究では、室内に観葉植物を置くだけで、その植物の自然な営みにより室内のトリクロロエチレン、ベンゼン、ホルムアルデヒドを空気中から取り除いてくれることがわかった。植物の種類によっても効果はまちまちなようだが、たとえばアイビー(セイヨウキヅタ)は密閉された空間に置かれた場合、24時間で空気中のベンゼンを89.8%除去したそうだ。
空気中から取り除かれたベンゼンはそのまま植物の細胞に取り込まれるので二度と空気中に放出されることはない。

また、植物は「ファイトケミカル」という特殊な有機化学物質を出していて、自然な抗菌作用もあるらしい。さらに、植物は空気中の二酸化炭素を代謝して酸素を提供してくれるのだからありがたいかぎりだ。

こんなにいいことづくめの観葉植物なのだが、いざ買ってみようとなると何から手をつけていいかわからないほど大きさも色もかたちも豊富にある。そこで、NASAの文献からオススメ5種類、観葉植物のプロに聞いたオススメ5種類をこちらで紹介していこうと思う。

Courtesy of tsukuribaGREEN – Credit: C. Yamada

NASAの室内観葉植物研究から~厳選5種

  • サンセベリア
  • ポトス
  • アレカヤシ
  • ベンジャミン

サンセベリアは英語の俗名を「Mother-in-law’s Tongue(義理母の舌)」という。葉は毒性で、誤って口に含むと舌が腫れてしまうのでこのような呼び名になったそうだが、「義理母の毒舌」という伏線も張られているのでは…。とにかく、強い。多少水やりを忘れてしまっていても問題なく生き延びられる、タフな生命力の持ち主だ。夜間絶えず酸素を放出するので睡眠に良い効果をもたらすともいわれ、別名「Bedroom plant(寝室植物)」ともいう。下のようにコンパクトな種類もあるので、インテリアとしても映える。

Courtesy of tsukuribaGREEN – Credit: C. Yamada

ポトスは英語で「Money plant(お金の植物)」と呼ばれるほど重宝される、観葉植物の定番。もともと高温多湿なジャングルに特化しているので、明るい場所に最適。つるのように巻きついて巨大化する。生命力が強く、育てやすい。色の種類が豊富で、見た目も華やかだ。

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アレカヤシとベンジャミンは背丈が大きくなる種類なので、その分葉の面積も広くなり空気清浄の効果も上がる。どちらのNASAの実験に使われ、VOCをとり除く効果を認められている。

菊がもっとも意外性の高いセレクションではないだろうか。しかし、NASAがその絶大な効果を立証している。日本では鉢植えの菊を室内に置く習慣があまりないので、おじいちゃんの盆栽をむりやり持ってきてしまう前に家族と相談したほうがよさそうだ。

植物コンシェルジュが対応するインドアグリーンショップ、「tukuribaGREEN調布店」のオススメ5選

  • モンステラ
  • エバーフレッシュ
  • シェフレラ
  • カラテア
  • サボテン

モンステラは育てやすくタフだ。小笠原諸島では侵略的外来種に指定されているほど旺盛な生命力を誇る。葉が大きいので存在感が大きく、これを一株部屋に置くだけでなんとなく南国ムードが漂う。

対照的な繊細さを持つエバーフレッシュは、その名の通り空気をキレイにしてくれる定評があるそうだ。ネムノキと似ている葉は、夜になると閉じる。

シェフレラは成長がとても速いそうで、デパートなどでよく見かける品種。背が低いカラテアはもともとジャングルの下草として適応したため、日陰でも効率よく光合成を営む。そのため多少日当りが悪くても育てられる。サボテンは基本的にほったらかしでも育つため、忙しい毎日を送る方には最適。日当りは重要で、夏場は屋外に出して西日に照らされるといいそうだ。

どの植物にも共通していることは、自分の家の環境に合ったものを選ぶこと。その際参考になるポイントは①日当り、②温度、③風とおし、の三つだそうだ。

Courtesy of tsukuribaGREEN – Credit: C. Yamada

最後に、おまけをひとつ。

こちらは湿度を保てるように密閉されているため、空気をキレイにしてくれる効果はあまり期待できないかもしれない。しかし、なんとも美しいミクロな箱庭風景を眺めていると心までもが浄化されるようだ。植物の最大のメリットはここにある、と筆者は思う。

【ライター】山田 ちとら(やまだ ちとら)

Interior Landscape Plants for Indoor Air Pollution Abatement (NASA)
Foliage Plants for Removing Indoor Air Pollutants from Energy-Efficient Homes (Economic Botany)