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南アフリカの海岸でサメの被害が激減…その対策とは

映画『ジョーズ』を見て、海に行くのが怖くなった人も多いのではないだろうか?かくいう筆者も、子供の頃は海に行くたびに「サメに襲われたらどうしよう」と心配になり、浅瀬で貝やカニをいじって遊んでいたことを思い出す。

今、日本は真冬だが、南半球は海水浴のの季節。南アフリカのケープタウンのビーチにも多くの人が集まるが、ここはホホジロザメが集まる海域でもある。海水温が上がり、多くの餌となる魚が集まるからだ。

The Conversationによると、実はサメが人間を襲うことはかなり珍しいという。2000年以来、ケープタウンで人がサメに襲われたのは計13回、死者は4人だ。ただ少ないとは言っても、1人でも犠牲者が出ているのならば正直怖いのが人間。被害を減らすためにサメの駆除なども行われてきたが、2006年からケープタウンで新たなサメ対策が始まった。その名も「シャーク・スポッター(サメ監視員)」。

ケープタウンは人とサメが増える夏季に、訓練を受けた最大40人のサメ監視員を雇用。もっとも人気のある8つのビーチでサメの監視を行う。各ビーチには2人が派遣され、1人はビーチから40~110m先の海域を観察。もう1人は人々とのコミュニケーションや「シャーク・フラッグ(旗)」の変更を担当する。旗の色やサイレンを使用し、人々にサメのリスクを知らせるのだ。

旗は4種類あり、通常時は緑色の旗。サメがいるかわからない状態では黒い旗が上げられ、近くにサメのいるリスクが高い場合は赤旗が上げられる。サメが近くで実際に発見された場合、白い旗が上げられ、同時にサイレンが鳴らされる。監視員たちも積極的に水の中から出るように人々を促すという。この「シャーク・スポッター」により、サメや海洋生物を傷つけることなく、人々がサメに襲われる危険性を下げることが可能になっている。それだけでなく、研究や教育に役立ち、監視員としての雇用を生み出すことにも成功しているというのだ。

これにより、過去10年間のサメに襲われる事故は2年に1回という少ない頻度を記録している。ただ、まだ旗の意味が広く知られていないこともあるのか、赤旗が上がっていても海に入ろうとする人が少なくないなど、今後の課題も残されている。

サメを傷つけることなく、人間への被害を減らそうというこの取り組み。まだ被害をゼロにすることはできないかもしれないが、海洋生物も人間も傷つかず、お互いが海の恩恵を受けられるようになることを願ってやまない。    

How shark spotting can help reduce attacks. A Cape Town case study (The Conversation)

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