Credit : GomSpace

ESAの次の人工衛星、移動方式はタバコ用のライター?

欧州宇宙機関(ESA)が現在開発中の超小型人工衛星「GomX-4B」。そのサイズはなんとシリアルの箱ほど。そして一番の特徴はその移動方法で、なんとタバコのライターの燃料などにも使われている「ブタン」を放出し、宇宙空間を移動するというのだ。

「GomX-4B」は来年の2月2日、中国から打ち上げられる予定。打ち上げの目的は、別の人工衛星経由でデータを地上へと送り、これを様々な距離で確認すること。デンマークが打ち上げた「GomX-4A」が所定の位置に待機し、ESAの「GomX-4B」が最大4500km離れた位置まで移動し、データの送受信を行う。

「GomX-4B」にはスウェーデンの企業NanoSpaceが開発したブタンを放出する装置(スラスター)が取り付けられる。NanoSpaceによると、燃料を燃焼させるよりも冷たいガスであるブタンを放出し移動する方が構造的にもシンプルで、安く小型化できるということだ。ブタンは圧縮され液体としてタンクに格納され、放出される際に気体となる。構造としてはタバコ用のライターと同じだ(しかし着火はしない)。液体にすることで、気体の1000分の1ほどの体積になるという。

各噴射口から出る力はわずか1ミリニュートン。手のひらに羽を1枚乗っけるほどの力だという。しかし宇宙空間では8kgの人工衛星を移動させるのに十分な力。そして、これらを全て制御するチップは縦1cm、横2cm、厚さわずか1mmという小ささだというから驚きだ。

NanoSpaceのスラスターは2015年に打ち上げられた中国の人工衛星「TW-1」ですでに実証試験済み。「GomX-4B」のミッションでは、より複雑な作業に挑戦するという。タバコ用のライターから出るガスで人工衛星が動くなどなかなか想像できないが、宇宙空間では思ってもいないことが起こるといういい例といえるかもしれない。    

ESA’s Next Satellite Propelled by Butane (ESA)    

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